デジタル放送サーバー機能のセットアップ (1) - 準備編

新年あけましておめでとうございます。旧年中は数多くのアクセスを頂き、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日は、以前製作したファイルサーバデジタル放送の録画およびTSストリーミングの機能をセットアップしようと思います。ファイルサーバのOSとしてあえてLinuxではなくWindowsを採用した理由のひとつがこれでした。デジタル放送を扱うソフトウェアについてはやはりLinuxよりWindowsのほうが充実しているからです。

昨今の事情から、デジタル放送を大手メーカー製以外のチューナーを利用してPCに録画するということについては締め付けが厳しくなってきており、あまり詳しくは書けないこと、また各ファイルの入手先及びセットアップ方法の詳細についての質問にはお答えすることができませんことを、予めご了承ください。
私個人の見解としては、デジタル放送をこのような方法で録画することは法に触れるものではないと考えています。その仕様が誰にでも入手できる文書で公開されているMULTI2暗号を正規のB-CASカードを利用して復号化し、コピーコントロールフラグを消去せずにHDDに保存するということは、「技術的保護手段の回避」には当たらないと思います。大手メーカー製のチューナーや家電のレコーダはこの先にローカル暗号化をあえて加えているだけですので、どちらかというといわゆる「無反応機」(アナログ時代に例えれば、マクロビジョンコピーガードを検出できず、したがってコピーガードが効かないビデオデッキやビデオキャプチャカード)という範疇に入るのではないかと思います。(もちろん改造B-CASカードを使用することはまた問題が別かと思われますが…。)

少し脱線してしまいましたが、本題に入りたいと思います。私の環境ではファイルサーバに内蔵したPT3のほかに、PC録画用チューナーの元祖ともいうべき(本当の元祖はFriioですが…)ユニデンDT300改(カメレオンUSB FX2取り付け改造済み)を利用しています。このチューナーは家電のチューナーですので、チューナー内蔵でないPC用モニタにHDMIで接続することで、PCの電源が入っていなくてもTVを見ることができ、それなりに重宝しています。(このチューナーはすでに製造中止となっていますが、改造内容に興味のある方は、こちらをご覧ください。)
ユニデン DT300

DT300+カメレオンUSBのチューナーをWindowsで利用するためには、ドライバをインストール必要があります。ドライバの入手方法が少し面倒くさいのですが、以下にその手順を示します。CypressのCY3684 EZ-USB FX2LP Development Kitのページより、"CY3684 EZ-USB FX2LP DVK Kit Setup" をダウンロードし、適当なPCにインストールします。デフォルトの設定でインストールすると "C:\Cypress\USB\CY3684_EZ-USB_FX2LP_DVK\1.0\Drivers\cyusbfx1_fx2lp\wlh-win7" にWindows 7対応ドライバが展開されますので、これをファイルサーバにコピーしてインストールします。
カメレオンUSB FX2 ドライバ

今回のセットアップに際し、SpinelによるTSストリーミングと、EpgDataCap_Bon(以下、EDCB)によるネットワーク経由の録画予約機能を利用するためには、サーバーのIPアドレスを固定する必要があります。ここでは仮に 192.168.1.217 とします。また、今回の作業には下記のファイルをダウンロードする必要がありますが、このうち作成者が公開をやめてしまったものについてはあえてダウンロードリンクを張っていません。各自で検索し、ウイルスチェックなどをしっかり行ったうえで使用してください。

TVtest 0.7.23 (TVTest_0.7.23.zip を検索してDLしてください)
Spinel3 (Spinel_ver3.6.1.1.7z を検索してDLしてください)
EpgDataCap_Bon 人柱版10.66 (EpgDataCap_Bon.rar を検索してDLしてください)
BonDriver PT3-ST(お試し人柱版4) (bin_PT3-ST_00_4.zip を検索してDLしてください)
BonDriverU3ID0.dll (DT300使用時のみ必要 なかなか見つからないかも…)
BonDriver_Spinel (BonDriver_Spinel_ver3.5.3.0.7z を検索してDLしてください)
B25Decoder.dll (Multi2Dec210.zip を検索してDLしてください)
Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATL のセキュリティ更新プログラム
Microsoft Visual C++ 2010 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
ffdshow

また、B-CASカードを読み取るためには外付けICカードリーダを接続し、適切なドライバをインストールしておく必要があります。外付けICカードリーダを利用する場合に注意すべき点としては、リモートデスクトップ接続を行うとICカードリーダが切断されてしまう点でしょう。このあたりについては、設定が完了したら極力リモートデスクトップ接続を避けるか、BonCasLink(今回はこれについては詳しくは触れません)を用いることで対応可能かと思います。
では、実際のセットアップ作業に入りたいと思います。以下の手順で行うとよいでしょう。

1. Microsoft Visual C++ランタイムとffdshowをインストール
ffdshowはMPEGデコーダとして使用します。Windows 7でHome Premium以上ならMicrosoftのデコーダが利用できる場合が多いため、必ずしも不要です。Windows 8 + MediaCenterでは、内蔵MPEG2デコーダに汎用性がないため、ffdshowは必要です。

2. BonDriver PT3_STの準備
適当なフォルダにアーカイブ内のx86フォルダの内容を展開します。BS/CS用の BonDriver_PT3-S.dll と 地デジ用の BonDriver_PT3-T.dll をそれぞれコピーし、BonDriver_PT3-S0.dll, BonDriver_PT3-S1.dll, BonDriver_PT3-T0.dll, BonDriver_PT3-T1.dll の4つのDLLにリネームします。この4つのDLLがPT3の4つのチューナーに1対1で対応することになります。4つのDLLと PT3Ctrl.exe, BonDriver_PT3-S.ChSet.txt, BonDriver_PT3-T.ChSet.txt, BonDriver_PT3-ST.ini の合計8つのファイルができると思いますが、これを「BonDriver PT3セット」と呼ぶことにします。
PT3用BonDriver

3. TvTestのインストールと設定
TvTestは単に視聴するためのアプリケーションですので、サーバーで直接視聴しないのであればこの作業は必ずしも不要です。しかし、トラブル時の問題切り分けを容易にするためにもインストールすることをお勧めします。
C:\TV\TvTest フォルダを作成してTvTestのアーカイブを展開し、同じフォルダ内にBonDriver(BonDriver PT3セットおよびBonDriverU3ID0.dll など)をコピーします。winscard.dll を利用したい場合はこちらもコピーします。TvTestはB25デコーダを内蔵しているため、B25decoder.dll を入れる必要はありません。
インストールが終了したら起動し、デコーダフィルタなどの設定をしておきます。
TvTestの設定

あとは順にBonDriverを選んではチャンネルスキャンを繰り返します。以上が終了したら各チューナーとも正常に受信できていることを確認しておきます。
チャンネル設定

本日はここで一旦終了とします。次回は、TSストリーミングを可能とするSpinelと予約録画に必要なEDCBの導入を行いたいと思います。

※本サイトで紹介する内容は、すべて個人的研究の範囲内で行っていることです。ここに書かれた内容を実行したことによる、データ(クラウド上を含む)・ソフトウェア・ハードウェアの障害および金銭的損害について、私が責任を負うことはできません。重要なデータはあらかじめバックアップを行い、内容を十分に理解したうえで、ご自身の責任の下で行ってください。


テーマ : ソフトウェア
ジャンル : コンピュータ

tag : ファイルサーバデジタル放送PT3DT300カメレオンUSBTS録画EDCBTvTest

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