CASIO fx-3400P

先日部屋の整理をしていたのですが、そのときにまだレビュー記事を書いていなかった電卓がいくつか出てきたので、今日は久しぶりにCASIOプログラム関数電卓fx-3400Pを紹介しようと思います。fx-3400Pは1988年発売で、おそらくfx-3600Pvの下位機種と思われます。外見的にはfx-3600Pvのほか、fx-50Fともよく似たデザインとなっています。
fx-3400P 

fx-3600Pv(左)と並べてみました。キー配列はかなり違いがありますね。
fx-3600PV_3400P 

内部構造もfx-3600Pvfx-50Fと似ており、太陽電池とボタン電池GR927(SR927で代用可能)の併用となっているという点も同じです。使用されているLSIはこれらの2機種と同様、型番はわかりませんでした。
fx-3600P_inside 

機能的には、fx-3600Pvで利用できる数値積分が省略されています。また、fx-50Fと同様に科学定数を内蔵しています。プログラム言語の仕様もfx-3600Pvなどのサブセットで、fx-50Fのものほぼ同じです(RTNなどの命令がない)。また、プログラムステップ数もfx-3600Pvが38ステップであるのに対し、fx-3400Pfx-50Fと同等の29ステップとなっています。これらのことから、この機種はfx-50Fから科学公式機能を省略したものと考えたほうがよいかもしれませんね。

せっかくなのでベンチマークもしてみました。Sin10回、100回のプログラム内容はこちらを、1~1000の和のプログラムはこちらを、それぞれ参照してください。いずれもfx-3600Pvのものと同じですが、Sin10回についてはfx-50F, fx-3400Pではステップ数が足りないので最後のイコールを省略しています。
機種Sin 10回Sin 100回69!1~1000の和tan(355/226)
fx-50F7.4秒83.4秒2.4秒237秒-7497938.067
fx-3400P6.9秒80.8秒2.4秒230秒-7497938.067
fx-3600Pv2.3秒25.2秒(測定不可)75.2秒-7501875.469

ベンチマーク結果からは、内部のファームウェアなどはfx-3600Pvよりもfx-50Fに近そうな印象を受けます。速度的にはfx-50Fより若干早いという程度で、ほぼ同等ですね。fx-3600Pvだけはダントツに早いので、CPU自体も異なるのかもしれません。次回は、fx-3500Pを紹介する予定です。

この電池が使用可能です。
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CASIO fx-4000P

このところプライベートが忙しくて更新が滞りがちになってしまっており申し訳ありません。本日はCASIOの電卓シリーズの続きということで、fx-4000Pを紹介したいと思います。fx-4000Pfx-3900Pの上位機種であると考えてよいと思われます。プログラム言語の仕様はfx-3900Pと同様ですが、プログラムエリア数が10, ステップ数が最大550ステップとなっており、fx-3900Pではサポートされていなかったメモリ割り当て用Defm命令も備わっています。
fx-4000P

WRTモードの表示画面。FX-601Pなどと似た画面構成となっています。
WRTモード表示

内部も確認してみました。後期のPBシリーズに採用されているものと同じHD61747と、1KBの同期SRAM HD61914が搭載されています。ハードウェア的にはPB-100Fあたりと共通性が高そうです。
内部

fx-4000Pはこのようにポケコンに近いアーキテクチャで設計された高性能プログラム電卓でした。直系の後継機種は出ていないと思われますが、後に発売された上位機種であるfx-4500Pが実質的には後継機種といっていいのではないかと思われます。(fx-4100Pは数式記憶機能のみ、fx-4200Pはfx-4100Pにデータバンク機能を追加したものであり、いずれもfx-4000Pの後継機種ではないと思われます。)

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CASIO fx-3800P

CASIOの電卓シリーズ第2弾は、プログラム関数電卓fx-3800Pを紹介したいと思います。fx-3800Pはfx-3500P/fx-3600Pなどの多機能関数電卓の上位機種であり、プログラム言語もfx-3600Pなどと同様のものを搭載していますが、プログラムエリアが4つ、ステップ数が135ステップと容量が大幅に拡張されています。また、一般的な関数計算、統計計算以外の特殊な計算機能として、2/8/10/16進演算、直線回帰計算機能を搭載しています。なお、この機種を検索しても日本語のページが全くヒットしませんので、国内では発売されなかったのかもしれません。
fx-3800P

プログラム容量は増えましたが、言語仕様はfx-3600Pなどと同じです。無条件ジャンプとしてはプログラム先頭に戻るRTN命令、条件ジャンプとしては条件が真ならプログラム先頭に戻るx>0, x≦Mの2つしかありませんので、高度なプログラムを作成するのは困難そうです。fx-3900P以上になるとfx-7000G/fx-7200Gなどと同様のもう少し強力な(ラベルやカウントジャンプが使えるなど)プログラム言語が利用できるのですが…。
ジャンプ命令キー

内部も確認してみました。CPUらしきチップがありますが、型番などは消されていて不明でした。
内部

fx-3500P/3600P/3600Pv/3800Pの相違点を表にしてみました。プログラム容量が大幅に増えた一方で、下位機種で利用できた論理演算、数値積分、分数計算の機能は省略されています。
fx-3500Pfx-3600Pfx-3600Pvfx-3800P
分数×
n進数××
論理演算×××
順列組合せ×××
数値積分×
ステップ数383838135

ざっとこんな感じで、FX-501P/FX-502Pを除いたCASIOの7セグメントLCD搭載プログラム関数電卓の中では上位にあたる機種のひとつだと思います。オークションでもfx-3600P/fx-3900Pなどと比べると出品されることも少ない機種ではありますが、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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CASIO 時計つき関数電卓 fx-8100

体調を崩していたたため更新が滞ってしまっていました。本日は久しぶりにちょっと珍しめの関数電卓を紹介したいと思います。本日紹介するCASIO fx-8100は、時計機能内蔵の関数電卓です。プログラム機能はありませんが、時計、日付、アラーム、ストップウォッチ、カウントダウンタイマー×2、時報と、かなり充実した時計機能を搭載しているのが特徴です。この機種は同様の機能を持つfx-8000(fx-7000G/fx-7200Gの上位機種であるfx-8000Gとは全く無関係です)の後継機種となります。電池は酸化銀電池SR1130を2個使用し、約1年間連続使用が可能とのことです。
fx-8100

今回入手したものは箱、マニュアルもセットになっていました。
fx-8100セット内容

fx-8100には他の多くの薄型関数電卓と同様に手帳型ケースが付属していますが、閉じていでも時刻が見えるようにこのように窓が開けられています。近頃のスマホケースにもこのようなデザインのものがありますね。
手帳型ケースを閉じたところ

表示部の拡大写真。時刻・日付表示中の小数点は曜日を示します(LCD下部に曜日の表記があります) 。カレンダーはオートカレンダーで、年月日を設定すれば曜日は自動的に表示されるのですが、残念ながら1999年までの対応です。まさか20年を超えて使われるとは想定していなかったのでしょうね。占い電卓FT-21などは2099年まで利用可能なのですが…。
時計・曜日表示

内部も確認してみました。日立のHD43123というチップが使われています。この時期のCASIOの電卓に多く使われているHD43~の型番のものですね。
内部写真

ちなみにアラームはこんな音が鳴ります。
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これから数回にわたってCASIOの電卓を紹介していきたいと思います。

テーマ : コレクション
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SHARP EL-566

SHARPの電卓シリーズの第3弾はEL-566です。この機種は学校教育用のモデルで、おそらくEL-560の後継機でありEL-566Eの一世代前の機種と思われます。LCDはEL-566Eと同様、上段に数式表示用のドットマトリクス12桁、下段に結果表示用の7セグメント10桁の2段表示となっています。デザイン的にはEL-566Eより一回り小さく、色も当時のSHARPの標準的な関数電卓のデザインと思われる(EL-546DEL-5020と同様の)黒を基調としたものとなっています。
EL-566

EL-566E(右)と並べてみました。かなり大きさが違いますね。手帳型ケースは566Eのテープで貼る方式ではなく、昔ながらの透明なバンドで保持する方式となっています。また、566は566Eとは異なり太陽電池は搭載していません。
EL-566 & EL-566E

EL-566はマニュアルがないので正確なところはわからないのですが、キー配列や操作した感じ、また他機種の操作体系から類推すると、以下のような違いがあると思われます。EL-566EのマニュアルであればSHARPのサイトからダウンロード可能ですので、こちらと合わせればなんとか活用できるのではないかと思います。
機能EL-566EL-566E
プログラムステップ256160×4
メモリクリア命令(M-CLR)×
一時停止命令
三乗計算×
分数計算×
%計算×
乱数(RANDOM)×
整数部除去FRACfpart
小数部除去INTipart
指数表示切替FSEで切り替え/TAB nFSE n

EL-566Eとの異同を調べるためにベンチマークも行ってみました。整数演算(1~1000までの和)はこちら、sin100回(sin(1)~sin(100)までの和)はこちらに掲載されている、EL-566E用のプログラムと同じものを使用しました。
整数演算ベンチマーク

結果はEL-566は566Eに比べるとかなり遅く、EL-5020あたりに近い結果となりました。興味深いことに、ループを使用しなければEL-566Eに近い速度なのが、ループの回数が多くなるほど開きが大きくなる傾向があるように思われます。ジャンプや条件判断のオーバーヘッドが大きいのかもしれませんね。また、tan(355/226)も計算してみました。
項目EL-566EL-566E
sin10回1.1秒1.1秒
sin100回18.1秒12.3秒
整数89.3秒24.2秒
tan(355/226)-7497094.876-7497264.149

値はEL-566Eとは異なっており、これまでの他のSHARPのモデルのいずれとも異なる結果でした。あまり他の電卓とはソフトウェア的な共通点はないのかもしれません。
tan(355/226)

内部も調べてみました。SC9785というチップが使用されています。SHARPのSC型番の電卓用チップといえば、古いものだとSC43~、比較的新しいものだとSC61~/SC62~というものが主流でしたが、こちらはPC-1600Kに搭載されているSC7852と同様の珍しい4桁の型番です。
内部基板

EL-566E同様、EL-566も標準的なAER機能でのプログラミングも可能ですし、学校教育用の電卓としてはかなり高機能な電卓だと思います。精悍なデザインでポケットにも入れやすいコンパクトさが気に入っています。もうこんな電卓は発売されないのでしょうか…。

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