SHARP PC-1270

SHARPのポケコンシリーズですが、本日も実行専用機、PC-1270を紹介します。このポケコンはベストセラーとなったPC-1245の後継機種として発売されたPC-1246の実行専用バージョンで、CPUとしてはSC61720を搭載しています。
PC-1270

PC-1246との最大の違いはRAMカードスロットでしょう。PC-1246はRAMの増設が一切できない構造でしたが、このPC-1270PC-1285と同様に本体内にRAMを内蔵しておらず、RAMカードをセットして初めて動作するようになっています。RAMカードとしては2KB~16KBまでのものが利用可能です。スロットのカバーとしては薄い板が一枚セットされているのみです。
RAMカードスロット

私が入手したものには8KBのCE-212Mがセットされていました。
RAMカード

私はPC-1246を所有していないので、PC-1255と接続してみたところ、相互にプログラムの転送を行うことができました。PC-1252H用に作成した、カナ・英小文字表示テストプログラムを転送して実行したところ、下の画像のようにカナは表示されましたが小文字は表示されませんでした。
PC-1255と接続

キーコードも概ねPC-1252Hと同様で、簡単なプログラムを作成して確認したところ下記のようになっているようです。
キー コード キー コード キー コード
A 65 0 48 ÷ 47
B 66 1 49 × 42
C 67 2 50 - 45
D 68 3 51 + 43
J 74 4 52 C・CE 82
K 75 5 53 = 61
L 76 6 54 R・CM 85
M 77 7 55 M- 86
YES 79 8 56 M+ 87
NO 78 9 57 % 81
ENTER 80 . 46

以上のことから、PC-1270用のプログラムは基本的にはPC-1252Hとほぼ同様に開発を行うことができそうですが、英小文字に非対応であるところ、表示桁数の違い(PC-1252Hは24桁、PC-1270は16桁)、機械語に非対応であるところなどに注意する必要がありそうです。

次に、PC-1260PC-1252Hともプログラムの転送を試みました。PC-1252Hが相手の場合は双方向とも問題ありませんでした。
PC-1252Hと接続

PC-1260が相手の場合は、PC-1270→PC-1260は問題なく転送できましたが、逆はできませんでした。
PC-1260と接続

これまで試みたプログラム転送の組み合わせをまとめてみました。PC-1252H/1255/1270の間では相互に互換性があるようですが、PC-1260は新しい世代とみなされるているのか、送り手として使用することはできませんでした。
送\受PC-1252HPC-1255PC-1260PC-1270
PC-1252H
PC-1255
PC-1260×××
PC-1270

今回の実験に使用した機種たち。上段が左からPC-1270, PC-1260, 下段が左からPC-1255, PC-1252Hです。
実験に使用したポケコンたち

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tag : SHARPポケットコンピュータプログラム関数電卓PC-1260PC-1255PC-1270PC-1252HCE-212M

SHARP PC-1252H

SHARPポケコンシリーズ第2弾は、実行専用機のPC-1252Hです。このポケコンはPC-1255の実行専用バージョンといってよいと思いますが、PC-1255と同容量の10.2KBのRAMを搭載しています。(ちなみに"H"のつかないPC-1252はPC-1251と同容量の4.2KBとのことです)
PC-1252H

電源をONにすると電卓モードになります。独立メモリつきの10桁のごくごく普通の電卓として使用できます。
電卓モード

このポケコンは実行専用機ですので、開発機とケーブル(EA-129Cなど)で接続する必要があります。画像はPC-1255と接続したところですが、このように互換性のあるPC-1250/1251/1255を開発機として用いるのが標準的かと思われます([IN]ボタンが"CLOAD", [OUT]ボタンが"CSAVE"の働きをします)。
PC-1255と接続

実はこのPC-1252Hはカナおよびアルファベットの小文字表示が可能なようです。Oh!石様のサイトによると、下記のような書式で表示可能なようです。

カナ:文字列中で、;0 と ; の間にローマ字を挿入する
小文字:文字列中で、;1 と ; の間に英文字を挿入する

例えば、以下の画像のような感じです。上のPC-1255での表示では";0AIUEO; ;1ABCDE;"となっていますが、これをPC-1252Hで表示すると下のように"アイウエオ abcde"と表示されます。
カナ表示

本体の左側にはプログラムで利用するキーが並んでいますが、アルファベットの[A]~[D]および[J]~[M]は、PC-1255のそれぞれ[DEF]キーとアルファベットキーの組み合わせに相当します。つまり、プログラムに"A"というラベルがあるとき、[A]キーを押すことによりそこから実行が開始されます。そのキーに相当するラベルがない場合は当然ながら"ERROR 4"となってしまいます。このほかに[YES] [NO]というキーがあり、これらはPC-1255に同じ働きをするキーはありませんが、INKEY$ 関数を用いてキーコードを取得することで利用が可能です。これらのキーも含めたキーコードの一覧を下記に示します(Oh!石様のサイトから転載させていただきました)。

キー コード キー コード キー コード
A 65 0 48 ÷ 47
B 66 1 49 × 42
C 67 2 50 - 45
D 68 3 51 + 43
J 74 4 52 CL 82
K 75 5 53 CE 83
L 76 6 54 91
M 77 7 55 = 61
YES 79 8 56 CM 84
NO 78 9 57 RM 85
ENTER 80 . 46 M- 86
    % 81 M+ 87

PC-1252HとPC-1255は実行専用機と開発機という関係ですので当然のことながら互換性は高く、プログラムは相互に転送することが可能です。では、PC-1260とはどうでしょうか? というわけで試してみましたが、結果はPC-1255と全く同様で、PC-1252H→PC-1260の転送はできましたが、逆はできませんでした。やはりPC-125xとPC-126xのBASICの互換性は片方向のみのようですね。
PC-1260と接続

最後に、SHARPの後期の実行専用ポケコンPC-V510Bと並べてみました。大きさは意外と似ていますね。性能はPC-V510のほうが上ですが、見た目は安っぽい印象です。
PC-1252H & PC-V510B

次回以降もSHARPの実行専用機シリーズを続けたいと思います。

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SHARP PC-1255 & CE-125

今日は久しぶりにSHARPポケットコンピュータを紹介します。本日紹介するPC-1255は、ベストセラーとなったPC-1251の後継機で、RAM容量がPC-1251の4KBに対して10KBと大容量になっているのが特徴です。デザインはPC-1250/PC-1251の薄茶色に対してこちらはこげ茶色を基調としており、ちょうどPC-1500PC-1501の関係に近い印象です。これらPC-1250シリーズの機種はPC-1210シリーズと並んで液晶の耐久性が悪く、液晶漏れを起こしている個体が多いですが、私が入手したものも少し液晶漏れが始まっていました。何とか使用には支障がない程度なのが救いではありますが…。
PC-1255

今回入手したものはCE-125Sの予備機として入手したCE-125に付属していたものです。
CE-125とケース (1)

CE-125はハードウェア的にはCE-125Sと全く同じとされています。CE-125はPC-1260シリーズに合わせてシルバー系のデザインとなっているのに対し、CE-125はPC-1250シリーズに合わせてブラウン系となっています。
CE-125 & CE-125S

CE-125のケースはCE-125Sのものと異なり大型で、ACアダプタやマニュアルの収納スペースがついています。私が入手したものは少しべたついて湿っていましたが、SHARPのこの頃のビニール製品は湿気を吸いやすいのでしょうか。ほかにもCE-154のビニール部分、CE-126PのソフトケースEL-5813の手帳型カバーなど、べたつきやすいものが多くて困ります。
CE-125とケース (2)

後継機種のPC-1260と並べてみました。個人的にはPC-1260のグレー系の色合いが好きですが、PC-1255のほうはキーがシルバーとなっており、白のPC-1260よりも高級感があります。
PC-1255 & PC-1260

プログラムの互換性について調べるため、PC-1260とケーブル(EA-129C)でつないでみました。PC-1255→PC-1260の転送は問題ありませんでしたが、逆方向への転送はできませんでした。
ケーブルで接続

次回以降もSHARPのポケコンを紹介していきたいと思います。今回のシリーズではこのPC-1250シリーズと同じサイズのポケコンを中心にしていきたいと思っており、ケーブル接続によるプログラム転送の可否などについても検討していきたいと思います。

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ポケコン入門(4) PC-G850V グラフィック編

ポケコン入門シリーズ、PC-G850V編も今回でとりあえずの最終回となります。ポケコンも初期のモデルでは、多くのプログラム関数電卓と同様、数字とアルファベットの表示しかできませんでした。しかし、PC-1500PB-700あたりからグラフィック表示が可能なモデルが増えてきており、PC-G850Vでは144×48ピクセルの表示が可能となっています。ちなみにポケコンではグラフィック画面とテキスト画面の区別はありませんので、CLSを実行するとテキスト文字、グラフィックの両方が消去されます。
ネギ振りミクさん

本日は、そんなPC-G850Vグラフィック命令について説明したいと思います。PC-G850やその他のSHARPのポケコン(PC-E650, PC-1360Kなども)は、パソコンのBASICと同様に座標を指定して線や点を描画する命令(PSET, LINEなど)のほかに、16進数の文字列でドットパターンを表示する命令(GPRINT)がありますので、大きく2つに分けて説明したいと思います。

1. PSET/PRESET/LINE
8bit時代のパソコンのBASICと同様の命令で、それぞれ、点を打つ、点を消す、直線(あるいは四角形)を描画する、といった命令になります。それぞれの命令の書式を示します。([ ]内は省略可能であることを、{ }内はいずれか一つを選択することを示します)

 (1) PSET (x, y) [,X]
  座標(x, y)に点を打つ。
  X を指定時は、座標(x, y)の色を反転する。
 (2) LINE [(x1, y1)]-(x2, y2)[, {S/R/X}][, p][, {B/BF}]
  座標(x1, y1) (省略時は最後に実行したLINE命令の終点(x2, y2))から、
  座標(x2, y2)まで直線(B 指定時は長方形、BF 指定時は塗りつぶされた長方形)を
  描画する。S 指定時ドットを打つ、R 指定時は消す、X 指定時は反転する。
  LINE (1)
  pを指定することにより線のドットパターン(16bit(0~65535)の数値で16ドット分(左がMSB、右がLSB))
  を指定できる。
  LINE (2)
 (3) PRESET (x, y)
  座標(x, y)の点を消す。
 (4) POINT (x, y)
  座標(x, y)の色を得る関数。点灯しておれば1を、消灯しておれば0を返す。

これらの命令群は単純な図形の描画に向いていると思います。

2. GPRINT
PC-1500からの伝統的な命令で、縦1列の8ドット分を8bit(0~255)の数値で指定することにより(下がMSB, 上がLSB)グラフィックパターンを表示します。実際には数値を";"で区切って指定するか、16進数を表す文字列で指定します。
 (1) GPRINT "16進文字列"
 (2) GPRINT 数値数値数値数値;…
 GPRINT
 (3) GCURSOR (x, y)
  GPRINT文の表示開始位置(左下の座標)を(x, y)に指定する。

これらの命令群はゲームのキャラクターや複雑な図形を描画するのに向いていると思います。

今回まで4回にわたってPC-G850Vの使い方についての解説を行ってきました。これである程度PC-G850Vで実用的なプログラムを組むことも可能になるかと思います。ただ、BASIC言語についての一般的なことは省略させていただきましたので、初めての方は別途入門書などを読まれることをお勧めいたします。これでこのシリーズはいったん終了としますが、何か質問やリクエストなどがあればコメント欄あるいは掲示板に書き込みをお願いいたします。内容によっては続編を考慮させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

近頃はBASICの入門書といえばVisual Basicばかりで、古典的なBASICの本はほとんどないですね…。

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ポケコン入門(3) PC-G850V BASIC言語編

少し脱線してしまっていましたが、本日はまたポケコン入門編第3弾(PC-G850VBASIC言語編)に戻ります。PC-G850VBASICは以前のポケコン(PC-1360K)などのものともある程度互換性を保っていますが、より標準的な(Microsoft BASICに近い)文法を採用していますので、あまり迷わずにプログラミングを開始することができるかと思います。しかし、以前のポケコンの仕様を引きずっている点もあり、少しクセがあるのも確かです。以下に、標準的なBASICとの違いや注意すべき点などを列挙してみます。

1. 変数
A~Z, A$~Z$のようなアルファベット1文字の変数はメモリ上の固定された領域に格納されますが、同じ名前の数値変数と文字列変数(AとA$, BとB$など)は領域を共有しており同時使用はできません。例えばAに数値を代入した後にA$に文字列を代入し、Aを参照しようとすると "ERROR 91" となります。
1文字変数

また、1文字の文字列変数は長さが7文字以下に制限されています。
文字列変数(1文字)

ちなみに変数名は2文字までであり、それ以上長い名前を付けても区別されません。2文字の文字列変数は16文字まで格納できます。
文字列変数(2文字)

長い文字列を格納したい場合は配列を使用します。DIM 変数名(添え字)*文字数 とします。配列は2次元まで、文字数は255文字までで宣言可能です。
配列宣言

2. FOR~NEXT
NEXTの後の変数名は省略可能です。以下のようなプログラムのように初期値ですでに終了条件を越えている場合でもループ内は最低1回は実行されます(このあたりはBASICの仕様により、機種によりまちまちな点のひとつだと思います)。
 FOR I=2 TO 1
 PRINT I
 NEXT

3. USING
USING命令はPRINT文中のみでなく、独立して記述することができます。USING命令を実行するとそのあとのPRINT命令はすべて影響を受け、解除するには引数なしで実行する必要があります。
USING文

4. WAIT
PC-G850は初期状態ではPRINT文の実行後は直ちに次の文へ実行が移りますが、WAIT命令を使用することでPRINT文実行後の待ち時間を設定できます。例えば、次のように指定します。
 WAIT 0 : 直ちに次の文を実行する(初期値)
 WAIT : ENTERキーが押されたら次の文を実行する
 WAIT n : n/59秒後に次の文を実行する

5. ラベル
標準的な *LABEL だけでなく、SHARPの古くからの記法である "LABEL" も使用できます。もちろん、呼び出す側と呼び出される側で記法を統一する必要があります。

6. 構造化制御文
PC-G850VBASICはPC-E650のものと同様な構造化制御文をいくつかサポートしています。下記に例を示します。

a. ブロックIF文:条件式が真であれば文1を、偽であれば文2を実行
 IF 条件式 THEN
   文1
 ELSE
   文2
 ENDIF

b. WHILE ~ WEND:条件式が真の間、文を実行
 WHILE 条件式
   文
 WEND

c. REPEAT ~ UNTIL:条件式が真になるまで、文を実行
 REPEAT
   文
 UNTIL 条件式

d. SWITCH ~ CASE ~ ENDSWITCH:変数の値に従っていずれか一つを実行
 (式1のとき文1、式2とのき文2…いずれにも当てはまらないとき文Dを実行)
 SWITCH 変数
 CASE 式1
  文1
 CASE 式2
  文2
  …
 DEFAULT
  文D
 ENDSWITCH

7. プログラムの自動実行
ARUN/AUTOGOTOを用いることで、電源ON時にプログラムを自動実行することができます。必ずプログラムの先頭に記述する必要があります。
 ARUN : 自動的にRUNを実行する
 AUTOGOTO n : 自動的にGOTO n を実行する

以上の知識があればある程度プログラミングを行うことが可能かと思います。次回はグラフィック命令について書いてみたいと思います。なお、PC-G850VのBASICの仕様については下記のサイトの内容が参考になると思います。

 BASIC Comparison Sheet : ポケコンのBASIC比較表(一部に誤りがあるようです)
 TenBASIC : ポケコン互換のBASIC(シェアウェア)です
  (オンラインマニュアルの、ターゲット"G8"がPC-G850VのBASICとほぼ同仕様です)

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