ダイコク電機 ポケロボ VR-50MII

少し前に、SHARPの漢字辞書搭載PDA, ポケットブレーン PA-BD1を紹介しました。ポケットブレーンシリーズにはほかにPA-B1というモデルがあります。PA-B1は画面を見る限り、漢字辞書の機能がない代わりにアクションリストの機能がついており、電子辞書機能を前面に出して販売されていたPA-BD1とは異なり純粋にPDAとして売られていたのではないかと思います。これらの機種はおそらく内部のアーキテクチャは似通っており、ROMに内蔵されているソフトを少しずつカスタマイズしてあるものと思われますが、webで検索できた限りではPA-B2, PA-M1というモデルも同じシリーズに含まれると思われます。

SHARPPDAとしてはマイナーなシリーズと思われるそんなポケットブレーンですが、実はパチンコ関連機器メーカーであるダイコク電機から、ポケットブレーンをベースにカスタマイズされたものと思われる情報端末「ポケロボ」というものが発売されていました。この機器はパチンコ屋にある「データロボ」という端末と赤外線接続することで、台ごとのデータなどをダウンロードできるようになっていたようです(私はパチンコをやらないのであまり正確に説明できなくてすみません…)。ポケロボには初期型のVR-50Mと後期型のVR-50MIIの2種類があるようですが、今回後期型のVR-50MIIを入手してみました。VR-50MとVR-50MIIの細かい違いはよくわかりませんが、最大の違いはICカードスロットの有無だと思います。VR-50MIIには電子手帳のICカードとほぼ同サイズのICカードが挿入できるスロットがあり、実際に「データ分析ロボ」などの専用ICカードが売られていたようです。
VR-50MII

今回はこのICカードスロットのついての研究目的で安価に出品されていたものを入手しましたが、新品デッドストックで説明書や電池もついていました。
VR-50MIIのセット

起動時にはダイコク電機のイメージキャラクター?が表示されます。
起動画面

「モード」をタップすると表示されるメニュー画面。液晶やタッチパネルの解像度はPA-BD1と同じと思われます。
メニュー

「台情報」画面。どうやって使うのかはよくわかりませんが…。
台情報

「パチンコ手帳」画面。収支をつけたりメモを入力したりできるようです。
パチンコ手帳

その他の機能はPA-BD1と全く同じです。これは「電卓」ですが、左側がVR-50MII, 右側がPA-PD1となります(以下同じ)。
電卓

「時計」。世界時計とアラーム機能がついています。
時計表示

「メニュー」をタップして表示されるサブメニュー。表示濃度調整などはここから呼び出します。
サブメニュー

「電話帳」。
電話帳

本体上面には赤外線ポートがついていますが、これは「データロボ」と通信するためのもののようで、電話帳データなどを送受信する機能はなさそうです。プロトコルはASKを使用している可能性が高いとは思うのですが…。
赤外線ポート

さて、ここからが本題のICカードです。VR-50MIIにはPIザウルスのものと同じような構造のICカードスロットがついており、購入時にはダミーカードが入っています。試しにダミーカードを電子手帳用のカードと並べてみました。ほぼ同じサイズですね。
ダミーカードとPA-9C91

試しに挿入しようとしてみましたが、途中で引っかかって入りませんでした。表裏を変えても同じです。ハイパー電子システム手帳専用カード、SC電子システム手帳用カード、PIザウルス専用カードを試してみましたが、どれも同じ結果でした。
カードを挿入不可

VR-50MIIと電子手帳のダミーカードを並べてみました。上側がVR-50MIIのものになりますが、このように側面の構造が異なるため入らないようになっています。ひょっとすると逆にVR-50MIIのカードは電子手帳に入るのかもしれませんが…。
電子手帳のダミーカードとの比較

というわけでVR-50MIIと電子手帳のICカードの互換性を確認することはできませんでした。また機会があれば専用のICカードを入手しして調べてみたいと思います。

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SHARP 液晶パッド Wiz PA-Z800

ジャンク紹介シリーズも残すところあと2機種となりました。本日は「液晶パッドWizPA-Z800を紹介します。Wizシリーズは内部アーキテクチャとしてはPIザウルスに近いと考えられているようですが、15pinシリアルポートコネクタやICカードスロットがなく、アドインも使えません。逆に、ICカードやアドインに縛られないことにより、シリーズ内でもいろいろと仕様の異なった機種があったようです。このPA-Z800は1996年発売となっていますが、時期的にはPIザウルスの後期モデルと重なっています。
PA-Z800

Wizシリーズの最大の特徴は「クイックメモ」でしょう。Wizが販売されていたときは、これがあるから他の機種には乗り換えられない、という意見や、ザウルスより使いやすいという意見も多かったようです。基本的には手書きのメモを入力し、カレンダーのところに付箋のように貼っておけるというものです。画像は入力中の画面。
クイックメモ入力中

カレンダーで日付を選択すると、クイックメモが入力してある場合はこのような付箋のアイコンが表示されます。残念ながらカレンダーを見ただけではどの日にクイックメモが入力してあるのかはわかりません。何か自分で決めたスタンプを押しておくとよいかもしれませんね。
クイックメモの付箋表示

その他の機能については、多少のUIの変更はあるものの、基本的にはPIザウルスのものと似ています。以下の画像は、比較のため同等の機能をPI-3000(左)で実行して並べてみた様子です。まずはカレンダー表示から。
カレンダー表示

1日のスケジュール。
スケジュール表示

約束リスト。いわゆるToDoというやつですね。
約束リスト表示

アドレス帳。
アドレス帳表示

メモ帳のインデックス画面。
メモ帳-インデックス画面

フォーム選択画面。
メモ帳-フォーム選択画面

白紙のフォームを選択したところ。手書き文字認識機能もちゃんとついています。
メモ帳-入力画面

手書きメモ。こちらは文字認識はなく画像として保存されるようです。
メモ帳-手書きメモ画面

電卓。
電卓表示

世界時計。
世界時計表示

辞書。
辞書表示

Wizシリーズは外部機器とのデータのやり取り用に電子システム手帳と共通の4pinコネクタと、ASK対応の赤外線ポートを備えています。赤外線ポートを利用すればPCともデータのやり取りができるようなのですが、PC用のASK対応赤外線レシーバ(CE-IR5/CE-IR2)と対応ソフトが必要なようです。また材料がそろえば研究してみたいとは思いますが、現時点ではちょっとハードルが高そうです。いくら使いやすいPDAでもPCとリンクができないのであれば常用は難しそうですね。いつか使いこなせる日が来るのを願って、それまで保管しておこうと思います。
4ピン端子と赤外線ポート

ジャンク紹介シリーズもこれでほぼ終了となり、未紹介のジャンクはあと1機種、ポケコンのPC-1280のみとなりました。一旦このシリーズはお休みして、またの機会に他のSHARPのポケコンたちと一緒に紹介していきたいと思います。
動作品たち

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tag : SHARPザウルス液晶パッドWizPA-Z800クイックメモ

SHARP ポケットブレーン PA-BD1

再び大量ジャンク辞書の紹介に戻りますが、本日のお題はSHARPの「ポケットブレーン 液晶タッチメモ」PA-BD1です。この機種はwebを検索をしてもあまり情報がないのですが、発売年は1996年と思われます。なぜかAmazonにも商品ページが残っており、それによると86,000語の漢字辞書を内蔵しているとのことです。「シャープ電子手帳名称分類辞典」では「SC電子手帳系の仕様を持った電子手帳」と紹介されており、CPUにはSC61860(ESR-H)系のものが使用されている可能性がありますが、内部をあけてみても主要なチップはモールドされておりはっきりしたことはわかりませんでした。明らかに一目見てSC61860とわかるチップは使われていませんでしたが、PC-V510のようにゲートアレイを用いてCPUを構成している可能性もあるとは思います。
PA-BD1

漢字辞書の検索画面。LCDは抵抗膜式タッチパネルを採用していますが、その分解能は低く、どちらかというと電子システム手帳のICカード部のタッチスイッチを小さくしたような感じです。よく目を凝らして見ると、子ども向けのタッチパネル搭載PDA風玩具のように、数mm角のセンサーが並んでいるように見えます。画像は辞書検索画面ですが、そのような構造のため手書き入力は一切できず、文字一覧からタッチで選択する方式となっています。ひらがなが半角となっている点などは確かに電子手帳に通じるものがありますね。
漢字辞書

カレンダー表示。電子手帳のものに似ています。
スケジュール

電話帳もついています。
電話帳

メモ。上記のとおり、手書きメモなどや利用できません。
メモ帳

電卓。
電卓

世界時計。ザウルスのものを簡略化したような表示ですね。PA-F500のものとも似ています。
世界時計

とまあこんな感じで、確かにSC電子システム手帳のキーボードをなくして代わりにタッチパネルをつけたような雰囲気ですね。他の機種やPCとデータをやり取りする方法もありませんし、実用性はあまりなさそうです。それこそ小学生ぐらいの子どものオモチャにはなるかも??

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tag : SHARP電子辞書電子システム手帳PA-BD1ポケットブレーン

SHARP 電子システム手帳 PA-6300/6500

大量ジャンク紹介シリーズの2回目の今日は、SC電子システム手帳PA-6300PA-6500を紹介します。PA-6000シリーズの電子手帳は、基本的なアーキテクチャはPA-7000シリーズと同様のものを踏襲していますが、ICカードスロットを省略するなどして薄型化、低価格化を図った製品群となります。このシリーズに属するものとしては、下記のモデルがあります。

PA-6000PA-7000に近いスペック 2行表示 時計なし メモリ16KB
PA-6300PA-7000に近いスペック 2行表示 時計なし メモリ32KB
     英和・和英辞書内蔵 横型QWERTYキーボード搭載 プラスチックカバー
PA-6500PA-8500に近いスペック 4行表示 時計内蔵 メモリ32KB
     漢字辞書内蔵
PA-L1PA-X3に近いスペック 5行表示 時計内蔵 メモリ32KB
     漢字辞書内蔵 プラスチックカバー

上記のほかに、PA-6100/6110/6200という似た型番のものがありますが、これらはPA-6000と似た筐体に外国語辞書機能のみを搭載したモデルで、PDA機能は持っていないため商品名も「電子手帳」ではなく「電訳機」となっています。

カバーを閉じた状態。左がPA-6300、右がPA-6500
PA-6300 & PA-6500 (外側)

カバーを開いた状態。左がPA-6500、右がPA-6300
PA-6300 & PA-6500

PA-6500はICカード非対応とはいえ、右側にシートキーを搭載し、時計を内蔵するなど、機能的には上位モデルに準じたものとなっています。
PA-6500

PA-7500
(右)と並べてみました。大きさはほぼ同じです。ICカードスロットがない分キー配列が異なっており、ローマ字入力だけではなく直接かな入力も可能となっています。
PA-6500 & PA-7500

時計表示。基本的にはPA-8500以降のものと変わりません。
時計表示

裏側。デザインやシートキーの接続部の構造などはPA-7500と似ていますが、薄型化されているため、電池交換を行うには裏面のカバー全体を外す必要があります。
PA-6500裏面

側面。薄くなっているとはいえ、4ピンのオプションポートはちゃんと付いています。
PA-6500 4ピン端子

ちょっと中を覗いてみました。他のSC電子システム手帳と同様、CPUにはSC61860(ESR-H)が使用されています。左上のチップはおそらくROM、右上のチップは62256互換のRAMでしょう。
PA-6500のCPU

こちらはPA-6300です。QWERTYキーボードを搭載し、何となく電子辞書っぽい風貌ですね。こちらは英和・和英辞書を搭載していますので、実際にエントリクラスの電子辞書として利用するのもありかと思います。
PA-6300

これまではICカードスロットがついていないこともあってあまりPA-6000シリーズには興味がなかったのですが、なかなかユニークな機種たちが揃っていますね。機会があれば超薄型のPA-6000も入手してみたいと思いました。

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tag : SHARP電子システム手帳PA-6500PA-6300PA-7500

SHARP 電子辞書 PA-850/PA-F300/PA-F500

手に入れた大量のジャンクのなかから、本日はSHARPの小型電子辞書3機種を紹介します。本日紹介するPA-850, PA-F300, PA-F500は筐体はほぼ同じながら、機能が少しずつ異なっています。おそらくハードウェア的にはほぼ共通のプラットフォームを利用しており、そこに少しずつ異なるソフトウェアを載せたのではないかという印象です。画面を見る限り、SC電子システム手帳に近いアーキテクチャではないかとも思いましたが、内部を開けてみても主要なチップはモールドされており、型番などは不明でした。

3台並べてみました。
PA-F500, PA-850, PA-F300 (1)

裏側。
PA-F500, PA-850, PA-F300 (2)

では、まず1機種目のPA-850から。この機種は2000年発売で、この3機種の中ではもっとも新しいモデルとなります。機能的には純粋に辞書機能と電卓のみであり、国語辞書、漢和辞書、英和辞書、和英辞書の4つの辞書を内蔵しています。他の2機種と異なりPDA的な機能は一切搭載していないため、この機種のみメモリバックアップ電池は不要となっています(筐体は共通なので、電池が入りそうなスペースはあります)。写真は国語辞書の検索画面です。
PA-850

漢和辞書。部首、総画数などから検索ができるようになっています。
PA-850

次はPA-F300です。1999年発売であり、漢字辞書、郵便番号辞書、アドレス帳、電卓の機能がついており、電子手帳的な要素を持っています。写真は漢字辞書の検索画面ですが、PA-850の漢和辞書とは微妙に違いますね。
PA-F300 漢字辞書

郵便番号辞書。なんとなくこの画面はPA-7000あたりを彷彿させるものがありますね。
PA-F300 郵便番号辞書

アドレス帳。これがついているため、PA-300はバックアップ電池を必要とします。
PA-F300 アドレス帳

最後はPA-F500です。PA-F300と同じく1999年発売のようですが、なぜかこの機種のみSHARPの公式サイトに商品紹介ページが残っています。比較的最近まで製造されていたということなのでしょうか。この機種の特徴は、旅行会話辞書、英和・和英辞書、世界時計、通貨換算機能付き電卓の機能を搭載し、海外旅行用に特化したモデルとなっていることです。この機種も電子手帳的なモデルで、時計機能を内蔵しているためかバックアップ電池を必要とします。写真は旅行会話の画面。やはりPA-7000的な雰囲気ですね。
PA-F500 旅行会話

英和辞書。他の機種と同じような雰囲気です。
PA-F500 英和辞典

世界時計。
PA-F500 世界時計

これらの機種と似た筐体を採用した現行機種としては、国語辞書、漢和辞書、人名・地名辞書、四字熟語辞書を搭載したPA-660というものがあります。また下位機種のPA-630や上位機種のPA-860というものも販売されているようですが、いずれも比較的安価なモデルとなっています。今回紹介した3機種も、エントリクラスの電子辞書として、自分のニーズにあったものを選んで購入するというスタンスだったのでしょうね。

現行機種たちです。

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tag : SHARP電子辞書PA-850PA-F500PA-F300

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