珍しいPDAを手に入れました - Psion Organiser II
今日は最近入手したPDAのなかで、かなり珍しい部類に入るのではないかと思われる、Psion Organiser IIを紹介します。Psionといっても聞きなれないメーカーだと思いますが、実は携帯電話などに搭載されているSymbian OSの前身であるEPOCを開発したメーカーでもあります。イギリスの会社であり、PDAやハンドヘルドコンピュータなどを作っていたようですが、現在は一般消費者向けの製品の販売からは撤退しているとのことです。
そんなPsionが最初に発売したPDAが、1984年発売のPsion Organiser Iでしたが、その後継機であるPsion Organiser IIは1986年に発売されました。CM, XP, LZなどいくつかのモデルがあるようですが、私が入手したものはMODEL XPというものでした。XPはもともとはRAMが8KB(or 16KB?)だったようですが、手元にあるものはRAMを32KB搭載しており、後期型のXP(LAバージョンと言うらしい)と思われます。(Psion Organiser IIについてはこちらのサイトに詳しい情報が載っており、マニュアルやオンラインソフトなどもあります。)
このPsion Organiser IIには基本的なPIMや電卓などの機能のほか、ポケコンのように容易にプログラミングができるようにOrganiser Programming Language(OPL)という言語を搭載しており、内蔵のエディタで入力して中間コードにコンパイルしてから実行する仕組みになっています。OPLは言語仕様としては構造化BASICに似ており、ローカル変数やブロックIF文などがサポートされています。また、CPUにはHD6303(MC6803のC-MOS版、こちらに命令セットの概要も記載されたデータシートがあります)を採用しており、機械語のプログラムも実行可能(多くの国産ポケコンと同様、POKEで書きこむ)となっています。

ケースをスライドさせるとこのようにキーボードが現れます。

PDAらしく時計・カレンダー機能も内蔵していますが、このMODEL XPには2000年問題が存在し、そのままでは使い物になりません。しかし、修正パッチを作った方がおられるようで、フリーソフトとして公開されています。OPLのプログラムリストとなっているので、PCと接続できなくても直接入力すれば使えそうです、

電池はこの手の機器としては珍しく、9Vの006Pを1個使用します。後述する通りこの機械にはUV-EPROMライタが内蔵されており、高電圧(とはいっても十数V程度)を発生させる必要があるためでしょうか。

裏側には増設メモリスロットがあり、増設RAM("Rampack", 32KB)、UV-EPROM("Datapack", 32-128KB)、フラッシュメモリ("Flashpack", 128-256KB)や、市販のプログラムを内蔵したROMなどのメモリパックを2個まで追加できるようになっています。フラッシュメモリにも対応しているのにもかかわらずUV-EPROMパックを用意したのは、当時はまだフラッシュメモリが高かったためでしょうか。フラッシュメモリは当然ながら本体内部で自由に書き込み・消去ができますが、UV-EPROM(日本語に訳すと「紫外線消去可能な書き込み可能型読み出し専用メモリ」でしょうか)は、その名の通り消去するにはチップの上面に開けられたガラスの窓から紫外線を照射する必要があります。そのためPsionでは専用の消去器も用意していたようですが、物理的に入る大きさであれば一般的なPROMイレーサも使用可能かと思われます。

私が入手したものには32KBのDatapackが内蔵されていました。Datapackを裏返してみると、パッケージに穴が開いており、UV-EPROMチップ(27C256相当品でしょうか)が見えます。UV-EPROMチップの上面にも窓が開いているため、ここから紫外線を照射することで消去できるようになっています。
DatapackはPsion Organiser IIからはディスクのように見え、データやプログラムなどを保存することができます。本体のみでは消去はできないため、ちょうどCD-RWのように追記を繰り返していき、いっぱいになれば取り出して消去するというのが基本的な使い方のようです。

本体上面には拡張バスのコネクタが出ています。ここにRS-232Cインターフェースを接続することでPCとデータのやり取りができるようですが、Psion Organiser IIの周辺機器はSHARPのPC-1500シリーズと同様、ドライバに相当するソフトウェアが周辺機器側にROMで搭載されているようで、自作は難しそうです。

ざっとこんな感じですが、日本のメーカーからはこのような本格的なPDAとポケコンを合わせたような機械は、SHARPのPA-500以外はあまり出なかったと思います(メモや電話帳程度のデータバンク機能を搭載したポケコンなら数多くありますが…)。強いていえばDB-ZやPIザウルスにハイパー関数プログラムカードを差したような感じでしょうか。あるいはPC-1600KなどのRTC搭載のポケコン用にPIMソフトを開発すれば似たような感じになるかもしれません。
Psion Organiser IIはいろいろ面白そうな機械だと思います。Webで検索しても日本語のサイトはほとんどヒットしませんが、何とこの機械で日本語を表示しようとされている方もおられるようです(「俳句PAD」、波多利朗さんのサイトで紹介されています)。また時間のあるときにでもすこしずつ研究していきたいと思います。
そんなPsionが最初に発売したPDAが、1984年発売のPsion Organiser Iでしたが、その後継機であるPsion Organiser IIは1986年に発売されました。CM, XP, LZなどいくつかのモデルがあるようですが、私が入手したものはMODEL XPというものでした。XPはもともとはRAMが8KB(or 16KB?)だったようですが、手元にあるものはRAMを32KB搭載しており、後期型のXP(LAバージョンと言うらしい)と思われます。(Psion Organiser IIについてはこちらのサイトに詳しい情報が載っており、マニュアルやオンラインソフトなどもあります。)
このPsion Organiser IIには基本的なPIMや電卓などの機能のほか、ポケコンのように容易にプログラミングができるようにOrganiser Programming Language(OPL)という言語を搭載しており、内蔵のエディタで入力して中間コードにコンパイルしてから実行する仕組みになっています。OPLは言語仕様としては構造化BASICに似ており、ローカル変数やブロックIF文などがサポートされています。また、CPUにはHD6303(MC6803のC-MOS版、こちらに命令セットの概要も記載されたデータシートがあります)を採用しており、機械語のプログラムも実行可能(多くの国産ポケコンと同様、POKEで書きこむ)となっています。

ケースをスライドさせるとこのようにキーボードが現れます。

PDAらしく時計・カレンダー機能も内蔵していますが、このMODEL XPには2000年問題が存在し、そのままでは使い物になりません。しかし、修正パッチを作った方がおられるようで、フリーソフトとして公開されています。OPLのプログラムリストとなっているので、PCと接続できなくても直接入力すれば使えそうです、

電池はこの手の機器としては珍しく、9Vの006Pを1個使用します。後述する通りこの機械にはUV-EPROMライタが内蔵されており、高電圧(とはいっても十数V程度)を発生させる必要があるためでしょうか。

裏側には増設メモリスロットがあり、増設RAM("Rampack", 32KB)、UV-EPROM("Datapack", 32-128KB)、フラッシュメモリ("Flashpack", 128-256KB)や、市販のプログラムを内蔵したROMなどのメモリパックを2個まで追加できるようになっています。フラッシュメモリにも対応しているのにもかかわらずUV-EPROMパックを用意したのは、当時はまだフラッシュメモリが高かったためでしょうか。フラッシュメモリは当然ながら本体内部で自由に書き込み・消去ができますが、UV-EPROM(日本語に訳すと「紫外線消去可能な書き込み可能型読み出し専用メモリ」でしょうか)は、その名の通り消去するにはチップの上面に開けられたガラスの窓から紫外線を照射する必要があります。そのためPsionでは専用の消去器も用意していたようですが、物理的に入る大きさであれば一般的なPROMイレーサも使用可能かと思われます。

私が入手したものには32KBのDatapackが内蔵されていました。Datapackを裏返してみると、パッケージに穴が開いており、UV-EPROMチップ(27C256相当品でしょうか)が見えます。UV-EPROMチップの上面にも窓が開いているため、ここから紫外線を照射することで消去できるようになっています。
DatapackはPsion Organiser IIからはディスクのように見え、データやプログラムなどを保存することができます。本体のみでは消去はできないため、ちょうどCD-RWのように追記を繰り返していき、いっぱいになれば取り出して消去するというのが基本的な使い方のようです。

本体上面には拡張バスのコネクタが出ています。ここにRS-232Cインターフェースを接続することでPCとデータのやり取りができるようですが、Psion Organiser IIの周辺機器はSHARPのPC-1500シリーズと同様、ドライバに相当するソフトウェアが周辺機器側にROMで搭載されているようで、自作は難しそうです。

ざっとこんな感じですが、日本のメーカーからはこのような本格的なPDAとポケコンを合わせたような機械は、SHARPのPA-500以外はあまり出なかったと思います(メモや電話帳程度のデータバンク機能を搭載したポケコンなら数多くありますが…)。強いていえばDB-ZやPIザウルスにハイパー関数プログラムカードを差したような感じでしょうか。あるいはPC-1600KなどのRTC搭載のポケコン用にPIMソフトを開発すれば似たような感じになるかもしれません。
Psion Organiser IIはいろいろ面白そうな機械だと思います。Webで検索しても日本語のサイトはほとんどヒットしませんが、何とこの機械で日本語を表示しようとされている方もおられるようです(「俳句PAD」、波多利朗さんのサイトで紹介されています)。また時間のあるときにでもすこしずつ研究していきたいと思います。
スポンサーサイト