CASIOの古いプログラム関数電卓 fx-201P

本日はCASIOのとても古いプログラム関数電卓fx-201Pを紹介します。この電卓の発売は1976年とされていますので、SHARP初の本格的プログラム電卓PC-1200より少し前ということになります。プログラムステップは127ステップ、プログラム中で使用できるメモリ(変数)は10個となっており、条件判断やサブルーチン、間接指定など、プログラム言語として必要な要素は一通りそろっています。しかし、メモリのバッテリバックアップができないという弱点を抱えていたため、苦労して入力したプログラムも電源を切ればそれっきりになってしまいます。ライバルであるPC-1200がバッテリバックアップ機能を備えていたので対抗したのか、ほぼ同じ仕様の後継機種fx-202Pではバックアップができるようになりました。
fx-201P

キーボードにΓ1とかE3とかの印字があります。これはなんだと思いますか…?
キーのアップ

実は、プログラム内容を確認する際に表示される記号を示しています。FX-502Pなどでは同様の記号の一覧が別に添付されていましたが、fx-201Pではこのようにキーの下に印字してあるのでわかりやすいです。
プログラム確認時の表示

この電卓、コーヒーか何か飲み物をこぼされたのか、キーが汚れて押しにくい(押し込んでしまうと戻りにくい)状態となっていましたので、清掃のため内部を開けてみることにしました。まず本体裏側左下になにかふたのようなものがあるので開けてみると、テスト用なのか拡張用なのかよくわからない謎の端子が出てきました。
裏側

裏蓋を完全に開けたところ。近頃の電卓などとは異なりかなり集積度が低く、手作り感が漂っていますね。
内部

メインのチップたち。HD36136というものが1つ(CPUでしょうか?)、HD36106というものが2つ(メモリでしょうか?)使われています。
メイン基板のアップ

キーボードの裏側。ゴムではなく金属製のスプリングが使われています。キーそのものも今どきの電卓のような印刷ではなく、金太郎飴のような構造に成型されており、使いこんでも文字が消えることはありません。やはり昔の製品はお金がかかっていますね。
キーの裏側

実はこの電卓のプログラム言語はかなり変わっています。SHARPやCASIO, HPなどのほかの電卓とは似ても似つかない、ちょっとわかりにくい仕様となっています。たとえば、プログラム中に定数を書くのに"K"に続けて書かなければいけない(数値だけを書くと変数を指定したことになってしまう)、ジャンプもサブルーチンも同じGOTO命令を使い、サブルーチンなのかどうかはラベルを置く命令(ST# か SUB# か)によって判断している、などの点があげられます。ちょっとややこしいので次回以降の記事で少しそのあたりの解説をしてみたいと思います(英語版のマニュアルをこちらにアップしておきます)。

こちらは今どきのプログラム関数電卓です。
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テーマ : 電化製品
ジャンル : ライフ

tag : CASIOプログラム関数電卓fx-201P

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