SHARPのプログラム関数電卓終了のお知らせ…
SHARPといえば、国内ではCASIOと並んで電卓メーカーとしては大手の部類に入ると一般には認識されていると思います。国内で電卓が発売され始めた当初から意欲的な商品を多数発売し、プログラム関数電卓もPC-1001に始まり多数の機種を販売してきました。プログラム関数電卓の黎明期においてCASIOのfx-201Pより扱いやすいPC-1200を投入し、その後PC-1211に始まるポケットコンピュータ(ポケコン)でも大きな成功を収めたことは皆さんご存知かと思います。そんなSHARPですが、近年になりプログラム関数電卓(ポケコンを含む)のラインアップが急速に貧弱になってきたことが気になっていました。下記に、SHARPのHPで確認することができる比較的新しい機種を列挙してみます(学校教育用を含めて)。
EL-566E 学校教育用プログラム関数電卓
EL-577 EL-566Eの後継機
EL-5060J プログラム関数電卓のエントリモデル
EL-5160J EL-5060Jの上位機種
EL-5250F プログラム関数電卓の最上位機種
EL-9900 グラフ関数電卓
PC-G850VS 学校教育用のポケットコンピュータ
このうちEL-9900はかなり前に生産完了となっていましたが、最近になりEL-5250FもSHARPの電卓サイトからのリンクが削除されてしまいました(製品紹介ページ自体はこちらに残っています)。大手通販サイトなどを見ても「取扱終了」のところが多く、生産完了となった可能性が高いと思います。また、学校教育用電卓のページを見ても、EL-566EとPC-G850VSについてははっきりと「生産完了」と書かれています。こうなると、残ってきたのはEL-577, EL-5060J, EL-5160Jの3機種となってしまいますが、EL-577はEL-5160Jとスペックやデザインが似ていますので、事実上EL-5160Jの学校教育バージョンと考えられます。これらの機種はいちおう「プログラマブル関数電卓」を名乗ってはいますが、その機能はfx-4100Pやfx-4600DCと同様な簡易的な数式記憶機能「フォーミュラメモリー」であり、条件判断などの高度なプログラム機能は一切使用できません。そう考えると、EL-5250Fの後継機(EL-5250M!?)が発売されなければ事実上SHARPの本格的なプログラム関数電卓はついに消滅してしまうことになってしまいます。ライバルであるCASIOが現在でfx-72F, fx-5800P, fx-9860GII, fx-CG20などのちゃんとしたプログラム関数電卓の販売を続け、ついにはfx-FD10 Proなどというキワモノ(高価であるにもかかわらず割と売れているようです)まで発売してしまったのとは対照的ですね。この差はどこから来てしまったのかと考えてみました。
現在はスマホで関数電卓アプリを使用することもできますし、複雑な計算でもExcelなどを利用すると簡単にできてしまいますので、プログラム関数電卓の需要がなくなってきているのも確かです。しかし、Excelには演算精度の問題(BCDではなく2進数で計算しているので、計算内容によっては誤差が出やすい)、スマホでは操作性の問題(やはりタッチパネルよりはキーのほうが操作しやすい)があるためか、建設現場や学校教育現場では一定の需要があるようです(逆に言うと、それ以外では需要はほとんどないのかも!?)。グラフ関数電卓は海外では教育現場で広く利用されており、HPやTIも高性能なモデルを現在でも投入し続けていますし、CASIOもClassPadなど海外専用モデルを販売しています。また、fx-5800Pなどの高性能なプログラム関数電卓は測量計算などに利用されており、専用プログラムを組み込んだ状態で販売されているOEM製品も存在します。そのように考えると、SHARPの関数電卓の衰退は海外での教育現場、国内での建設現場(オークションで見ていても、CASIOの測量用OEM製品は多数見かけますが、SHARPのものはほとんど見かけません)に食い込むことに失敗した結果と考えることができるかもしれません。(追記:SHARPも海外ではEL-9900の後継機であるEL-9950というものを販売しているようです)
前置きが長くなってしまいましたが、そんなわけで入手できるうちにと思いEL-5250Fを購入してみました。この機種は2007年に発売され、つい最近までは現行機種だったと思われるので、けっこう息の長い機種となります。今回の購入価格は3000円弱。こんな高性能な電卓がこんな価格で買えてしまうなんて、一昔前では考えられませんでしたが…。パッケージは最近の電卓によくあるブリスターパックとなっています。

このようにフラッグシップモデルらしく多数の計算機能を有しています。5進数計算なんて何に使うんだろう…!? 複素数演算、微分・積分、ソルバー機能も搭載していますが、行列演算はできないようです。ちなみにメモリ容量は4096バイトとなっています。

電池はセットされており、電源ONですぐに使用できました。

駆動用、バックアップ用にCR2032を各1個使用します。

いちおう内部も見てみましたが、メインのチップはモールドされていて型番は不明でした。右側にシルク印刷があり、この基板はEL-5230/5250/5250Fで共通のようです(EL-5230はメモリ容量が1280バイトの下位機種)。

本日の記事はここまでとしますが、次回は実際にプログラム機能を用いてベンチマークなども行ってみたいと思います。
Amazonならまだ買えます。
EL-566E 学校教育用プログラム関数電卓
EL-577 EL-566Eの後継機
EL-5060J プログラム関数電卓のエントリモデル
EL-5160J EL-5060Jの上位機種
EL-5250F プログラム関数電卓の最上位機種
EL-9900 グラフ関数電卓
PC-G850VS 学校教育用のポケットコンピュータ
このうちEL-9900はかなり前に生産完了となっていましたが、最近になりEL-5250FもSHARPの電卓サイトからのリンクが削除されてしまいました(製品紹介ページ自体はこちらに残っています)。大手通販サイトなどを見ても「取扱終了」のところが多く、生産完了となった可能性が高いと思います。また、学校教育用電卓のページを見ても、EL-566EとPC-G850VSについてははっきりと「生産完了」と書かれています。こうなると、残ってきたのはEL-577, EL-5060J, EL-5160Jの3機種となってしまいますが、EL-577はEL-5160Jとスペックやデザインが似ていますので、事実上EL-5160Jの学校教育バージョンと考えられます。これらの機種はいちおう「プログラマブル関数電卓」を名乗ってはいますが、その機能はfx-4100Pやfx-4600DCと同様な簡易的な数式記憶機能「フォーミュラメモリー」であり、条件判断などの高度なプログラム機能は一切使用できません。そう考えると、EL-5250Fの後継機(EL-5250M!?)が発売されなければ事実上SHARPの本格的なプログラム関数電卓はついに消滅してしまうことになってしまいます。ライバルであるCASIOが現在でfx-72F, fx-5800P, fx-9860GII, fx-CG20などのちゃんとしたプログラム関数電卓の販売を続け、ついにはfx-FD10 Proなどというキワモノ(高価であるにもかかわらず割と売れているようです)まで発売してしまったのとは対照的ですね。この差はどこから来てしまったのかと考えてみました。
現在はスマホで関数電卓アプリを使用することもできますし、複雑な計算でもExcelなどを利用すると簡単にできてしまいますので、プログラム関数電卓の需要がなくなってきているのも確かです。しかし、Excelには演算精度の問題(BCDではなく2進数で計算しているので、計算内容によっては誤差が出やすい)、スマホでは操作性の問題(やはりタッチパネルよりはキーのほうが操作しやすい)があるためか、建設現場や学校教育現場では一定の需要があるようです(逆に言うと、それ以外では需要はほとんどないのかも!?)。グラフ関数電卓は海外では教育現場で広く利用されており、HPやTIも高性能なモデルを現在でも投入し続けていますし、CASIOもClassPadなど海外専用モデルを販売しています。また、fx-5800Pなどの高性能なプログラム関数電卓は測量計算などに利用されており、専用プログラムを組み込んだ状態で販売されているOEM製品も存在します。そのように考えると、SHARPの関数電卓の衰退は海外での教育現場、国内での建設現場(オークションで見ていても、CASIOの測量用OEM製品は多数見かけますが、SHARPのものはほとんど見かけません)に食い込むことに失敗した結果と考えることができるかもしれません。(追記:SHARPも海外ではEL-9900の後継機であるEL-9950というものを販売しているようです)
前置きが長くなってしまいましたが、そんなわけで入手できるうちにと思いEL-5250Fを購入してみました。この機種は2007年に発売され、つい最近までは現行機種だったと思われるので、けっこう息の長い機種となります。今回の購入価格は3000円弱。こんな高性能な電卓がこんな価格で買えてしまうなんて、一昔前では考えられませんでしたが…。パッケージは最近の電卓によくあるブリスターパックとなっています。

このようにフラッグシップモデルらしく多数の計算機能を有しています。5進数計算なんて何に使うんだろう…!? 複素数演算、微分・積分、ソルバー機能も搭載していますが、行列演算はできないようです。ちなみにメモリ容量は4096バイトとなっています。

電池はセットされており、電源ONですぐに使用できました。

駆動用、バックアップ用にCR2032を各1個使用します。

いちおう内部も見てみましたが、メインのチップはモールドされていて型番は不明でした。右側にシルク印刷があり、この基板はEL-5230/5250/5250Fで共通のようです(EL-5230はメモリ容量が1280バイトの下位機種)。

本日の記事はここまでとしますが、次回は実際にプログラム機能を用いてベンチマークなども行ってみたいと思います。
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