SHARP PC-1605K

SHARPポケコンシリーズも今回で一旦最終回となります。このところ実行専用機の紹介記事が続いていましたが、本日のお題も実行専用機、PC-1605Kです。この機種はSHARPの当時のポケコンの最上位機種PC-1600Kの実行専用バージョンとして発売されました。
PC-1605K

大きさ、デザインともPC-1600K(下)と似ていますが、テンキーが一部のキーを省略するかわりに大型化していること、LCD下のファンクションキーが大きくなっていること、QWERTYキーの代わりに[S1]~[S10]までのキーが備わっているところが異なります。
PC-1605K & PC-1600K

PC-1605KPC-1252HPC-1270と基本的には似ており、電卓として使用できるキーに加えてプログラムで使用できるキーが少数備わっているというデザインは共通です。しかし、PC-1605Kは他の実行専用機とは異なり、内部のソフトウェアは汎用機であるPC-1600Kほぼと同じと考えられます。例えば電卓として使用する場合、他の実行専用機では全く普通の電卓と同じように使用できますが、このPC-1605KではポケコンのRUNモードを操作しているような感じです。実際に"RUN"インジケータが点灯していますしね。
電卓として使用中

しかもこのPC-1605K、乗除算キーがないので加減算しかできません。電卓としての機能は完全にオマケという雰囲気ですね。ちなみにPC-1600Kは「ポータブルコンピュータ」ですが、PC-1605Kは「ポケットコンピュータ」のようです。
テンキー部

プログラム用のキーもPC-1252H/1270とは機能が異なります。他の機種では[DEF]+アルファベットキー の働きをするキーでプログラムを呼び出していましたが、PC-1605Kの[S1]~[S10]キーは単なるアルファベットキーとしての役割しかなく、押すとこのようにA, S, D, F, G, Z, X, C, V, Bの文字が入力されます([シフト]を押すと小文字になります)。プログラムの実行はおそらくARUN命令を用いるか、ファンクションキー([F1]~[F6])に実行命令を定義して行うことになるのだと思われます。ちなみにファンクションキーの切り替え(I/II/III)キーはなく、常に"I"の定義で利用することになるのでしょうか。
ファンクションキーを押した様子

PC-1605Kには他の機種にあった[IN][OUT]のボタンもなく、プログラムを読み込む方法は不明です。PC-1600Kを用いてプログラムモジュール(CE-1600Mなど)にプログラムを書きこんで使用するのが標準的な方法だったのかもしれませんね
。このようにPC-1605Kはこれまで紹介した実行専用機とはちょっと毛色が違いますが、こういう設計になった理由としては、(1)PC-1600K用のプログラムを全く修正せずにそのまま使用できる、(2)大型であることもあり電卓としての機能はさほど重要視されない、などが考えられると思います。ファンクションキーでプログラムを実行開始するという設計は、後のPC-Vシリーズの実行専用ポケコンにも受け継がれていくことになります。
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テーマ : プログラム関数電卓
ジャンル : コンピュータ

tag : SHARPポケットコンピュータプログラム関数電卓PC-1605KPC-1600K

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