ジャンクPC-1600Kの修理
前回紹介したSHARPのポケコンPC-1600Kですが、入手当初は電池を入れるとLCDの全画素が点灯した状態となってしまい、リセットも一切受け付けない状態となってしまっていました。ノークレーム・ノーリターンという条件でオークションで入手したものでしたので、返品するわけにもいかず、修理に挑戦してみることにしました。
こういった古いポケコンが故障している場合、多いものは次のようなケースだと思います。
1. はんだ付けやコネクタの劣化などによる接触不良
はんだの割れ、ジャンパやケーブルの断線、コネクタ接触面の酸化などがあり得ると思います。
2. 電池の液漏れによる基板の腐蝕
基板表面にはレジストが塗ってあるためパターンが断線したりすることはあまりないのですが、
スルーホールに電解液が入り込みスルーホール内の接続が断たれてしまうことがあるようです。
また、部品にまで影響が及ぶと交換せざるを得ない場合もありえます。
3. 電解コンデンサの劣化
電解コンデンサは寿命があり、内部でショートしてしまったり、膨張したり液漏れしていることがあります。
4. その他の部品の不良
これは素人が実際に発見・対処するのは困難だと思います。カスタムチップの故障などだとお手上げですね。
1.2.のケースでは、まず目視で確認を行い、可能であれば怪しいところをテスターで導通テストを行います。問題があれば、はんだ付けのやり直し、ケーブルの交換、接点のクリーニングなどで直せる場合があります。基盤のパターンの断線であれば、すずメッキ線やジュンフロン線、UEWなどで接続しなおします。
3.のケースは、液漏れや膨張の有無を目視で確認することと、目視上は異常がなくてもテスターで端子間のショートがないかどうかを確認します(テスターを当てる場合は極性に注意して下さい)。正常な電解コンデンサに対してテスターの抵抗計で測定を行うと、最初は低い値が出て徐々にに値が増し、最終的にはかなり高い抵抗値で止まるはずですが、最終的な抵抗値が異常に低い場合や、値が変化していかない場合には不良の可能性があります。もちろん周囲の回路構成によってそのあたりは変わってくので、必ずしもこれで異常を発見できるとは限りません。
私はロジアナやオシロスコープは持っていないので、手持ちの器具でチェックできるのはこの程度です。実際にこれらの視点でPC-1600Kをチェックしてみることにしました。
まず、電池の液漏チェックから。電池室自体はきれいでしたが、開けてみると液漏れの跡がありました。写真では少しわかりにくいですが、電池の(-)極の部分(いじくりまわすうちに、付いていた黒い線が外れてしまいました)と、その左側の黒い線が接続されている部分が変色しています。

キーボード・LCD基板とCPUが載っているフレキシブル基板を押さえている金属製の部品にも腐蝕がありました。しかし、幸いなことに基板までは影響が及んでおらず、ほかに接触不良がありそうなところもありませんでした。

拡張スロット・コネクタ側の基板をよく見ると、変な黄色いしみができているのを見つけました。位置的に電池の液漏れの影響とは考えにくい場所です。(写真の右の方の縦に4つ並んでいるチップ部品の下あたりです)

基板を裏返してみてみると…47μFの電解コンデンサが液漏れしていました。

部品箱をあさってサイズ・耐圧的に代用できそうなものを見つけたので交換しました。基板のパターンも腐蝕し断線しているようでしたので、レジストを少し削ったうえですずメッキ線でショートしておきました。

これで無事に動くようになりましたが、最後にハマってしまったところをひとつ…。キーボード・LCD基板とフレキシブル基板を挟んでいる金属製の部品があります。これが緩んでいるとふたが閉まりにくくなり、これを無理に閉めてしまうとリセットスイッチが利かなくなる、という現象に悩まされましたが、しっかりと基板側に押し込むと直りました。ひょっとするとどこかに接触不良を起こしかけているところがあり、少し無理な力がかかるとダメなのかもしれませんが、同様の現象でお悩みの方は確認していただくとよいかと思います。
こういった古いポケコンが故障している場合、多いものは次のようなケースだと思います。
1. はんだ付けやコネクタの劣化などによる接触不良
はんだの割れ、ジャンパやケーブルの断線、コネクタ接触面の酸化などがあり得ると思います。
2. 電池の液漏れによる基板の腐蝕
基板表面にはレジストが塗ってあるためパターンが断線したりすることはあまりないのですが、
スルーホールに電解液が入り込みスルーホール内の接続が断たれてしまうことがあるようです。
また、部品にまで影響が及ぶと交換せざるを得ない場合もありえます。
3. 電解コンデンサの劣化
電解コンデンサは寿命があり、内部でショートしてしまったり、膨張したり液漏れしていることがあります。
4. その他の部品の不良
これは素人が実際に発見・対処するのは困難だと思います。カスタムチップの故障などだとお手上げですね。
1.2.のケースでは、まず目視で確認を行い、可能であれば怪しいところをテスターで導通テストを行います。問題があれば、はんだ付けのやり直し、ケーブルの交換、接点のクリーニングなどで直せる場合があります。基盤のパターンの断線であれば、すずメッキ線やジュンフロン線、UEWなどで接続しなおします。
3.のケースは、液漏れや膨張の有無を目視で確認することと、目視上は異常がなくてもテスターで端子間のショートがないかどうかを確認します(テスターを当てる場合は極性に注意して下さい)。正常な電解コンデンサに対してテスターの抵抗計で測定を行うと、最初は低い値が出て徐々にに値が増し、最終的にはかなり高い抵抗値で止まるはずですが、最終的な抵抗値が異常に低い場合や、値が変化していかない場合には不良の可能性があります。もちろん周囲の回路構成によってそのあたりは変わってくので、必ずしもこれで異常を発見できるとは限りません。
私はロジアナやオシロスコープは持っていないので、手持ちの器具でチェックできるのはこの程度です。実際にこれらの視点でPC-1600Kをチェックしてみることにしました。
まず、電池の液漏チェックから。電池室自体はきれいでしたが、開けてみると液漏れの跡がありました。写真では少しわかりにくいですが、電池の(-)極の部分(いじくりまわすうちに、付いていた黒い線が外れてしまいました)と、その左側の黒い線が接続されている部分が変色しています。

キーボード・LCD基板とCPUが載っているフレキシブル基板を押さえている金属製の部品にも腐蝕がありました。しかし、幸いなことに基板までは影響が及んでおらず、ほかに接触不良がありそうなところもありませんでした。

拡張スロット・コネクタ側の基板をよく見ると、変な黄色いしみができているのを見つけました。位置的に電池の液漏れの影響とは考えにくい場所です。(写真の右の方の縦に4つ並んでいるチップ部品の下あたりです)

基板を裏返してみてみると…47μFの電解コンデンサが液漏れしていました。

部品箱をあさってサイズ・耐圧的に代用できそうなものを見つけたので交換しました。基板のパターンも腐蝕し断線しているようでしたので、レジストを少し削ったうえですずメッキ線でショートしておきました。

これで無事に動くようになりましたが、最後にハマってしまったところをひとつ…。キーボード・LCD基板とフレキシブル基板を挟んでいる金属製の部品があります。これが緩んでいるとふたが閉まりにくくなり、これを無理に閉めてしまうとリセットスイッチが利かなくなる、という現象に悩まされましたが、しっかりと基板側に押し込むと直りました。ひょっとするとどこかに接触不良を起こしかけているところがあり、少し無理な力がかかるとダメなのかもしれませんが、同様の現象でお悩みの方は確認していただくとよいかと思います。
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テーマ : パソコン修理・サポート
ジャンル : コンピュータ