SHARP EL-5002
今日のネタも電卓です。SHARPのとっても古いプログラム関数電卓、EL-5002を紹介します。EL-5002は1978年に発売された関数電卓で、これまで紹介したものよりも遥かに古いものです。表示も液晶ではなくVFD(蛍光表示管)となっており、昭和の香りがプンプンしますね。私が子どものころは電卓といえばVFDのものが主流で、初めて親に買ってもらったCASIOのfx-140という関数電卓もそうでした。VFD自体は死滅した技術ではなく、現在でもPCの周辺機器やAV機器などに搭載されていますね。

EL-5103と並べてみました。VFD搭載で単3電池使用ということで、厚みはけっこうあります。


ひとつ前の機種としてEL-5001というのがあります。こちらは複素数演算、2次方程式の解の公式、数値積分(f(x)=kxnのみ)機能を搭載した多機能電卓だったようですが、複数メモリと()計算が排他使用だったり、乗除が加減と優先順位が一緒だったりと、機能制限が目立ちました。それに比較するとこのEL-5002は乗除が加減より優先度が高く、7重カッコと7つのメモリが同時使用できるうえ、簡単なプログラム機能もついています。近代的なプログラム関数電卓の元祖と考えてよさそうですね。
また、同時期に発売された高機能プログラム電卓にPC-1200というものがあります。これはSHARPの製品で初めて「ポケットコンピュータ」を名乗った製品として有名なものですが、EL-5002とPC-1200は同じ筐体を使用しているようにも見えます(PC-1200を所有しているわけではないので実際のところは不明ですが…)。
プログラムの仕様としてはAERをさらに原始的にしたもののような印象を受けます。プログラム入力はスライドスイッチを[LRN]に、実行時は[COMP]にします。プログラムの全消去は[LRN]モードで[F][CA]と操作します(消去しなくても新しいプログラムを入力すると上書きされます)。プログラム自体は多くのプログラム関数電卓と同様、キー操作をそのまま記憶するタイプですが、[(x)]キーを入力しておくとその位置で"[]"を表示して入力待ちになり、ここで数値を入力して[COMP]を押すと実行が継続されるようになっています。また、[F][LOOK]キーを入力しておくとその時点での計算結果を表示して一時停止しますが、[COMP]キーで実行が継続されるようになっています。これらの機能はCASIOのFX-603Pなどの[HLT]やHPの[R/S]に似ていますね。
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ちなみにプログラムのステップ数は40ステップまでのようで、それを超えて入力しようとするとエラー表示になります。

メモリについては最近の電卓と同様、[STO], [RCL]キーがついており、[STO] n / [RCL] n (n=1~6)のように使用します。これとは別に[x→M], [RM], [M+]キーがついており、1~6番のメモリとは別に操作できます。このあたりはAERでA~F, Mの7メモリが使える機種に通じるものがありますね。画像は[M+]で数値を記憶させたところで、Mメモリに数値が入っていると最も左の桁の左下のセグメントが点灯するようになっています。ちなみにメモリは不揮発性ではなく、電源をOFFにすると消えてしまいます。もちろんプログラムも同様なので、複雑なプログラムを入力しておくのには向きませんね。もっともこの時代のVFD式の電卓で不揮発性メモリを搭載しているものはほとんどありませんでした(PC-1200はさすがに不揮発性メモリを搭載していたようですが…)。CMOS-ICが普及していなかったのでしょうか。

この電卓も説明書がなく、独自に解析した結果を書いてみました。このぐらい機能が少ない電卓であれば、試行錯誤で大体のことはわかりますね。しかし、間違っているところもあるかもしれませんので、お気づきの方は指摘していただけるとありがたいです。

EL-5103と並べてみました。VFD搭載で単3電池使用ということで、厚みはけっこうあります。


ひとつ前の機種としてEL-5001というのがあります。こちらは複素数演算、2次方程式の解の公式、数値積分(f(x)=kxnのみ)機能を搭載した多機能電卓だったようですが、複数メモリと()計算が排他使用だったり、乗除が加減と優先順位が一緒だったりと、機能制限が目立ちました。それに比較するとこのEL-5002は乗除が加減より優先度が高く、7重カッコと7つのメモリが同時使用できるうえ、簡単なプログラム機能もついています。近代的なプログラム関数電卓の元祖と考えてよさそうですね。
また、同時期に発売された高機能プログラム電卓にPC-1200というものがあります。これはSHARPの製品で初めて「ポケットコンピュータ」を名乗った製品として有名なものですが、EL-5002とPC-1200は同じ筐体を使用しているようにも見えます(PC-1200を所有しているわけではないので実際のところは不明ですが…)。
プログラムの仕様としてはAERをさらに原始的にしたもののような印象を受けます。プログラム入力はスライドスイッチを[LRN]に、実行時は[COMP]にします。プログラムの全消去は[LRN]モードで[F][CA]と操作します(消去しなくても新しいプログラムを入力すると上書きされます)。プログラム自体は多くのプログラム関数電卓と同様、キー操作をそのまま記憶するタイプですが、[(x)]キーを入力しておくとその位置で"[]"を表示して入力待ちになり、ここで数値を入力して[COMP]を押すと実行が継続されるようになっています。また、[F][LOOK]キーを入力しておくとその時点での計算結果を表示して一時停止しますが、[COMP]キーで実行が継続されるようになっています。これらの機能はCASIOのFX-603Pなどの[HLT]やHPの[R/S]に似ていますね。
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ちなみにプログラムのステップ数は40ステップまでのようで、それを超えて入力しようとするとエラー表示になります。

メモリについては最近の電卓と同様、[STO], [RCL]キーがついており、[STO] n / [RCL] n (n=1~6)のように使用します。これとは別に[x→M], [RM], [M+]キーがついており、1~6番のメモリとは別に操作できます。このあたりはAERでA~F, Mの7メモリが使える機種に通じるものがありますね。画像は[M+]で数値を記憶させたところで、Mメモリに数値が入っていると最も左の桁の左下のセグメントが点灯するようになっています。ちなみにメモリは不揮発性ではなく、電源をOFFにすると消えてしまいます。もちろんプログラムも同様なので、複雑なプログラムを入力しておくのには向きませんね。もっともこの時代のVFD式の電卓で不揮発性メモリを搭載しているものはほとんどありませんでした(PC-1200はさすがに不揮発性メモリを搭載していたようですが…)。CMOS-ICが普及していなかったのでしょうか。

この電卓も説明書がなく、独自に解析した結果を書いてみました。このぐらい機能が少ない電卓であれば、試行錯誤で大体のことはわかりますね。しかし、間違っているところもあるかもしれませんので、お気づきの方は指摘していただけるとありがたいです。
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