電卓ベンチマーク (4) CASIO電卓編
これまでCASIOのプログラム関数電卓を4機種(fx-3600P/4100P/4500P/4800P)紹介してきました。一段落したところで、一度恒例のベンチマークを行ってみたいと思います。ベンチマークの内容は、いつも通りtan(355/226)の計算結果と、計算速度(sin(1)を10回、69の階乗、sin(1)~sin(100)までの和、1~1000までの和)です。

以下にプログラムの一部を示します。fx-4100Pは数式記憶機能のみですので、ループ計算の必要なベンチマークは行っていません。(一部特殊記号に環境依存文字を使用しています)
1. fx-3600P
この電卓はfx-3600Pvと異なり、ループ計算のバグはないようです。そこで、fx-360MTと同様のプログラムを使用してみました。実行はいずれも[P2][P1]です。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
P2
KAC
100 Min
P1
MR sin Kin+ 1
1 M-
x≦M
Kout 1
(b) 1~1000までの和
P2
KAC
1000 Min
P1
MR Kin+ 1
1 M-
x≦M
Kout 1
2. fx-4500P
1から1000までの和の計算はup-cさんのサイトのものを利用させていただきました。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
A=0
I=1
Lbl 0
A=A+sin I
I=I+1
I<101⇒Goto 0◣
A◢
(b) 1~1000までの和
A=0
I=0
Lbl 0
A=A+I
I=I+1
I<1001⇒Goto 0◣
A◢
3. fx-4800P
この機種のプログラム言語はfx-4500Pの上位互換ですので、そのままでも動作します。しかし、この機種では新たにIsz/Dszというカウントジャンプ(ループ計算)命令がサポートされたため、使用してみました。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
A=0
I=100
Lbl 0
A=A+sin I
Dsz I:Goto 0
A◢
(b) 1~1000までの和
A=0
I=1000
Lbl 0
A=A+I
Dsz I:Goto 0
A◢
さて、結果発表です。過去に実施したCASIOの電卓の分も一緒に載せておきます。69!は計算速度の遅い機種でしか実施していません(速すぎて測れない)。
こうしてみると、やはり新しい機種であるfx-4800Pがぶっちぎりに速いですね。多くの項目で、これまでCASIOで最速だったFX-603Pをも上回っています。それでもARMプロセッサ搭載のHP-15C LEには遠く及びませんが…。
意外だったのはfx-4100Pがけっこう速く、fx-4500Pが遅かったことです。fx-4100Pはプログラム機能が貧弱なため、これ以上のベンチマークを行うのは困難ですが、sin(1)を10回計算する速度はこれまでの機種の中ではかなり速い部類に入り、SHARPの現行機種EL-566Eに匹敵します。69!も一瞬で結果が表示され、時間計測は不可能でした。fx-4500Pは関数演算も決して速いほうではないですが、整数演算の遅さはかなりのもので、これまで計測した電卓の中では最も時間がかかっています。sin10回とsin100回の差がありすぎる(これまでの機種ではだいたい11~12倍前後になる機種が多かった)ことから、条件判断やジャンプのオーバーヘッドが大きいのかもしれません。決してローエンドの機種ではないと思うので、この結果はかなり意外でした。
tanの計算精度については、これまで行った中では最良であったTI-82の-7497257.878をfx-4800Pがわずかに上回り、トップに躍り出ました。
総合的に考えると、やはり一世代前のフラッグシップモデルであるfx-4800Pの性能が圧倒的ですね。後継機のfx-5800Pはどの程度の性能なのか気になるところです。いつかは手にしてみたいと思いつつ、現行機種はついつい後回しになってしまっていますが、また機会があれば購入してみようと思います、
後継機となる最新機種たちです↓

以下にプログラムの一部を示します。fx-4100Pは数式記憶機能のみですので、ループ計算の必要なベンチマークは行っていません。(一部特殊記号に環境依存文字を使用しています)
1. fx-3600P
この電卓はfx-3600Pvと異なり、ループ計算のバグはないようです。そこで、fx-360MTと同様のプログラムを使用してみました。実行はいずれも[P2][P1]です。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
P2
KAC
100 Min
P1
MR sin Kin+ 1
1 M-
x≦M
Kout 1
(b) 1~1000までの和
P2
KAC
1000 Min
P1
MR Kin+ 1
1 M-
x≦M
Kout 1
2. fx-4500P
1から1000までの和の計算はup-cさんのサイトのものを利用させていただきました。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
A=0
I=1
Lbl 0
A=A+sin I
I=I+1
I<101⇒Goto 0◣
A◢
(b) 1~1000までの和
A=0
I=0
Lbl 0
A=A+I
I=I+1
I<1001⇒Goto 0◣
A◢
3. fx-4800P
この機種のプログラム言語はfx-4500Pの上位互換ですので、そのままでも動作します。しかし、この機種では新たにIsz/Dszというカウントジャンプ(ループ計算)命令がサポートされたため、使用してみました。
(a) sin(1)~sin(100)までの和
A=0
I=100
Lbl 0
A=A+sin I
Dsz I:Goto 0
A◢
(b) 1~1000までの和
A=0
I=1000
Lbl 0
A=A+I
Dsz I:Goto 0
A◢
さて、結果発表です。過去に実施したCASIOの電卓の分も一緒に載せておきます。69!は計算速度の遅い機種でしか実施していません(速すぎて測れない)。
機種 | tan(355/226) | sin10回 | sin100回(a) | 1-1000の和(b) | 69! |
fx-140 | -7518797.00 | - | - | - | 3.3 |
fx-360MT | -7497938.067 | 2.4 | 26.7 | 73.5 | - |
FX-601P | -7497938.06 | 2.9 | 29.9 | 48.6 | 0.8 |
FX-603P | -7497938.067 | 0.6 | 6.6 | 19.1 | - |
fx-3600P | -7501875.46 | 4.4 | 52.7 | 181 | 1.1 |
fx-3600Pv | -7501875.469 | 2.3 | 25.2 | 75.2 | - |
fx-4100P | -7497656.982 | 1.2 | - | - | - |
fx-4500P | -7497938.067 | 2.7 | 42.4 | 196 | 1.0 |
fx-4800P | -7497258.44 | 0.7 | 5.1 | 16.6 | - |
tan正解→ | -7497258.1853255… | - | - | - |
こうしてみると、やはり新しい機種であるfx-4800Pがぶっちぎりに速いですね。多くの項目で、これまでCASIOで最速だったFX-603Pをも上回っています。それでもARMプロセッサ搭載のHP-15C LEには遠く及びませんが…。
意外だったのはfx-4100Pがけっこう速く、fx-4500Pが遅かったことです。fx-4100Pはプログラム機能が貧弱なため、これ以上のベンチマークを行うのは困難ですが、sin(1)を10回計算する速度はこれまでの機種の中ではかなり速い部類に入り、SHARPの現行機種EL-566Eに匹敵します。69!も一瞬で結果が表示され、時間計測は不可能でした。fx-4500Pは関数演算も決して速いほうではないですが、整数演算の遅さはかなりのもので、これまで計測した電卓の中では最も時間がかかっています。sin10回とsin100回の差がありすぎる(これまでの機種ではだいたい11~12倍前後になる機種が多かった)ことから、条件判断やジャンプのオーバーヘッドが大きいのかもしれません。決してローエンドの機種ではないと思うので、この結果はかなり意外でした。
tanの計算精度については、これまで行った中では最良であったTI-82の-7497257.878をfx-4800Pがわずかに上回り、トップに躍り出ました。
総合的に考えると、やはり一世代前のフラッグシップモデルであるfx-4800Pの性能が圧倒的ですね。後継機のfx-5800Pはどの程度の性能なのか気になるところです。いつかは手にしてみたいと思いつつ、現行機種はついつい後回しになってしまっていますが、また機会があれば購入してみようと思います、
後継機となる最新機種たちです↓
- 関連記事
-
- SHARPの古いプログラム関数電卓 PC-1001 (2013/08/15)
- 電卓ベンチマーク (4) CASIO電卓編 (2013/08/13)
- CASIO fx-4800P (2013/08/08)
スポンサーサイト
コメント
No title
つい先日、プログラム関数電卓のプログ(FC2)を立ち上げたばかりです。
で、このブログを見つけて拝見しました。
先ほど、テーマの違う記事にコメントを付けてしまったのに気がつき、削除後、改めてこちらへコメントさせて頂きます。
FX-501P、FX602P、FX-603P、fx-4600P (なぜだがリチウムコイン電池2個使いで、fx-4500PAとは異なるモデルのようです)を使っていましたが、高性能関数電卓としてしか使っていませんでした。
fx-5800Pで色々とプログラムを作るようになりました。とてもプログラムを作りやすく、お書きになっているfx-4800Pと同じ16桁x4行画面は良いです。
fx-5800Pで、記事の内容と同様のテストをしてみたところ、sinの100回はfx4800Pよりも遅いが、それ以外はそこそこ速くなっている感じでした。アナログ腕時計での計測なので適当な測定ですが...
今後も楽しみに拝見させて頂きます。
で、このブログを見つけて拝見しました。
先ほど、テーマの違う記事にコメントを付けてしまったのに気がつき、削除後、改めてこちらへコメントさせて頂きます。
FX-501P、FX602P、FX-603P、fx-4600P (なぜだがリチウムコイン電池2個使いで、fx-4500PAとは異なるモデルのようです)を使っていましたが、高性能関数電卓としてしか使っていませんでした。
fx-5800Pで色々とプログラムを作るようになりました。とてもプログラムを作りやすく、お書きになっているfx-4800Pと同じ16桁x4行画面は良いです。
fx-5800Pで、記事の内容と同様のテストをしてみたところ、sinの100回はfx4800Pよりも遅いが、それ以外はそこそこ速くなっている感じでした。アナログ腕時計での計測なので適当な測定ですが...
今後も楽しみに拝見させて頂きます。