ジャンクのHP-41Cを手に入れました

HPのプログラム関数電卓HP-41Cは1979年に発売され、当時としては圧倒的な性能とコンパクトさで、アメリカではあっという間にベストセラーとなりました。HPの電卓としては初めてアルファベット表示に対応(ドットマトリクスではなく14セグメント液晶という方法で)し、関数名やプログラム命令をアルファベットで入力することができたため、多機能な割にはキーの数は少なめに抑えられているのが特徴です。アポロ宇宙船にも載せられたという逸話もあるこのHP-41Cですが、もはやビンテージ電卓扱いとなっており、オークションなどでもかなりの高値で取引されています。当ブログでもAndroid用エミュレータを通してHP-41C基本的な操作方法について解説したことがあり、興味を持ってはいましたが、とてもじゃないけど手が届かないと思ってあきらめていました。そんなとき、某オークションでジャンク不動品がかなりの安値(0が一つ少ないのかと思ったぐらい)で出ていたため、思わず落札してしまいました。で、届いたのがこれです。外装は目立った傷もなく、美品の部類に入るのではないかと思いました。
ジャンクで入手したHP-41C

裏側には電池ボックスがあります。
裏面

本体上面には拡張スロットが4つあり、増設メモリ、アプリケーションソフト、I/O機器などを接続できるようになています。
拡張スロット

電池ボックスのふたを開けてみると、このように液漏れの影響で錆びついています。
錆びた電池ボックス

本体側もこのように電解液が付着し、電極が完全に溶けてなくなってしまっているうえ、緑青もたくさん付着しています。
電池ボックスの本体側

内部を詳しく調べるために本体のふたを外してみました。ふたを外すには、4つあるゴム足をすべてはがし、その下に隠れているねじを外します。電池ボックスと本体基板、拡張スロットを結んでいるフレキシブル基板が完全にダメになっています。ここはHP-41Cの設計上のウィークポイントといえるでしょう。液漏れしただけで全く動かなくなってしまう危険性が高い構造ですね。
腐蝕したフレキシブル基板

本体側にもこのように電解液や緑青がびっしりついています。
ふたを外したところ

CPU基板のアップ。圧電スピーカをずらすと、下にCPUが見えます。左右の8pinの小さなICはメモリ(ROM/RAM)のようです。一見する限り、CPU基板は全くダメージは受けていないように見えます。
CPU基板

黒いシートとCPU基板を外してキーボード基板を露出してみました。緑青をこすって落としてみたところ、キーボード基板自体にはさほどダメージはなさそうです。HP-41Cは構造上これ以上分解するのは難しそう(フロントパネルとキーボード基板は取り付け後にプラスチックのピンをつぶして結合してあるため)です。
CPU基板を外したところ

というわけで、I/Oブロック(電池と本体、拡張スロットを結ぶ部品)の修理が最も重要そうです。HP-41Cは構造が比較的単純であるうえ世界中に愛用者が数多くおられるため、webで検索すると修理についての記事が多数見つかります。それらを参考にしながら実際に修理を試みたので、次回以降の記事でその内容を書いていきたいと思います。

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テーマ : AV機器・家電製品
ジャンル : ライフ

tag : プログラム関数電卓HP-41Cジャンク修理液漏れrepair

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