go41c 基本編の続き (1) - 基本操作編

本日は、昨日に引き続き、go41c(HP-41C)操作の基本編です。最低限関数電卓として使用するのに必須と思われる項目を機能別に解説していきます。とくに断りのない場合、[ ]内が各機能キーを、[SHIFT]はオレンジ色のシフトキーを、[ENTER]は[ENTER↑]キーを、" は[ALPHA]キーを、{ }内は引数などを示しています。

1. スタック操作
昨日も書いたように、HP-41CにはRPNの演算で使用するスタックが4段あり、上から順にXレジスタ(表示数値)、Yレジスタ、Zレジスタ、Tレジスタと名付けられています。ここではスタック操作命令を挙げます。
[ENTER] : スタックをY→Z→Tと1段ずつpushし、Xレジスタの内容をYレジスタにコピーします。
[R↓] : RDN 命令。T→Z→Y→X→Tのように、スタックを浅い方向へ1段ずつローテートします。([XEQ] "RDN"も同じ)
[x<>y] : XレジスタとYレジスタの内容を交換します。
[XEQ] "CLST" : スタックをすべてクリアします。
[LASTx] : 最後の操作を行う直前のXレジスタの値をXレジスタに呼び出します。スタックは1段ずつpush(X→Y→Z→T)されます。

その他のスタックの移動に関する法則としては、以下のようなものがあります。
※新たな数値を入力するとXに入り、[ENTER]を押さない限りはスタックは動きませんが、すでに計算済みの結果などがXに入っている場合は数値の入力により自動的にスタックが1段ずつpush(X→Y→Z→T)されます。
※引数が1つの関数は、Xの内容に対して演算を行い結果をXに格納します。Y, Z, Tの内容は変わりません。
※引数が2つの関数や四則計算は、Yを被演算数、Xを演算数として演算を行い、結果をXに格納します。その際Y以下のスタックはT→Z→Yと1段ずつpopされますが、Tの内容は変わりません(TがZにコピーされる)。これを利用すると、Y~Tまでを同じ数値で埋めることにより、繰り返し使用する定数のように使うことができます。

2. ALPHAモード
[ALPHA]キーを押すと、"ALPHA"インジケータが点灯し、ALPHAモードになります。この状態ではアルファベットの入力が可能ですが、XEQ 命令などアルファベットを引数とする命令の後以外では、入力した文字列は「ALPHAレジスタ」という専用のレジスタに保持されます。ALPHAレジスタには最大24文字までが格納され、長い文字列はスクロール表示されます。もう一度[ALPHA]キーを操作するとALPHAモードが解除され、数値表示(Xレジスタ)に戻りますが、ALPHAレジスタの内容は保持されており、再度ALPHAモードにすると表示されます。ALPHAモードにおいて[SHIFT] [VIEW] (これは正確には AVIEW 命令というようです)と操作すれば、一度スクロールが終了した長い文字列でも最初から表示しなおすことができます。また、ALPHAレジスタの内容を再度編集する場合はALPHAモードで[SHIFT] K と操作すると、新たな文字を足したり[←]で削除したりできるようになります(APPEND 命令)。以下に、ALPHAモードにおいて[SHIFT]との組み合わせで入力できる文字を挙げておきます。
ALPHA
[SHIFT] A : a
[SHIFT] B : b
[SHIFT] C : c
[SHIFT] D : d
[SHIFT] E : e
[SHIFT] F : Σ
[SHIFT] G : %
[SHIFT] H : ≠
[SHIFT] I : <
[SHIFT] J : >
[SHIFT] K : (APPEND 命令)
[SHIFT] L : (ASTO 命令)
[SHIFT] M : (ARCL 命令)
[SHIFT] N : ↑
[SHIFT] O : ∠
[SHIFT] P : $
[SHIFT] Q : -
[SHIFT] R : 7
[SHIFT] S : 8
[SHIFT] T : 9
[SHIFT] U : +
[SHIFT] V : 4
[SHIFT] W : 5
[SHIFT] X : 6
[SHIFT] Y : *
[SHIFT] Z : 1
[SHIFT] = : 2
[SHIFT] ? : 3
[SHIFT] : : /
[SHIFT] [SPACE] : 0
[SHIFT] , : .

3. 数値の表示形式
go41cを最初に起動した場合、小数点下4桁の固定小数点表示になっています。これを変更する命令を列挙します。
[SHIFT] [FIX] {n(0-9)} : 小数点下n桁の固定小数点表示にします
[SHIFT] [SCI] {n(0-9)} : 仮数部の小数点下n桁の科学表記(*.*** × 10のx乗)にします。
[SHIFT] [ENG] {n(0-9)} : 仮数部の有効数字n+1桁の工学表記(上記に似ますがxが必ず3の倍数)にします。
FIX 3 の表示例
FIX 3
SCI 3 の表示例
SCI 3
ENG 3 の表示例
ENG 3

4. 角度単位の切り替え
これらはキーに割り当てられておらず XEQ 命令を使用します。USERモードでキー割り当てをするほうがよいかもしれません。
[XEQ] "DEG" : 角度単位を度に変更します。
[XEQ] "RAD" : 角度単位をラジアンに変更します。("RAD"インジケータが点灯します)
[XEQ] "GRAD" : 角度単位をグラードに変更します。("GRAD"インジケータが点灯します)

5. USERモード
[USER]キーでUSERモードになります。このモードでは好きなキー([ON], [SHIFT], [USER], [PRGM], [ALPHA]以外)に好きな機能を割り当てることができます。これに使用するのが ASN 命令で、以下の書式で使用します。
[SHIFT] [ASN] "{機能・関数名}" {割り当てるキー}
例えば、[SHIFT] [ASN] "FACT" [√x]で、[√x]キーに FACT 関数が割り当てられます。
逆に、[SHIFT] [ASN] "" [√x]とすると、[√x]キーへの割り当てが取り消されます。

6. CATALOG機能
関数や機能の一覧を呼び出せます。自動的に決まった順に表示されていきますが、一時停止には[R/S]キーを押します。一時停止中は[SHIFT] [BST]でひとつ前、[SST]でひとつ後の項目に移動できます。また、[R/S]キーで一覧表示再開、[←]キーでCATALOG終了になります。
[SHIFT] [CATALOG] 1 : ユーザーカタログ(ユーザープログラムの一覧)を表示します。
[SHIFT] [CATALOG] 2 : 拡張カタログ(拡張モジュールに収録の機能でしょうか?)を表示します。
[SHIFT] [CATALOG] 3 : 標準機能カタログ(組み込みの機能の一覧)を表示します。

明日は、メモリの扱いについて説明するつもりです。
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