デジタル放送サーバー機能のセットアップ (3) - クライアント編
ファイルサーバ設定シリーズも今回で最後となりました。今日は、前回設定したサーバーにクライアント側から接続してデジタル放送の視聴および予約録画を可能とするための設定を行います。必要なソフトウェアは、準備編で示したもののうち、ffdshow, Microsoft Visual C++ ランタイム(2種), EDCB, TvTest, BonDriver_Spinel となります。
では、実際の設定手順です。基本的にはファイルの展開方法などはサーバーと同じです。まずは準備として、ffdshowとVisual C++ランタイムのインストールを行っておきます。その後、以下の手順でインストールを行います。
1. TvTestとBonDriver_Spinelのインストール
C:\TV\TvTest フォルダを作成し、TvTestのアーカイブを展開します。今回はBonDriverとしてはすべてBonDriver_Spinelを使用しますので、サーバーの設定の際に作成したすべての BonDriver_Spinel.dll と BonDriver_Spinel.dll.ini を同じフォルダにコピーします。
2. BonDriver_Spinelの設定
すべてのBonDriver_Spinelについて、BonDriver_Spinel.dll.ini の下記セクションを書き換えます。
サーバーのIPアドレスの設定:
; Spinelが稼働しているマシンのIPv4アドレスとポート番号を指定します。
Address = "192.168.1.217:48083"
排他的チャンネルコントロールはOffに設定:
; 排他的チャンネルコントロールを要求するかどうかを指定します。
; これは録画アプリ向けの機能で、チューナーのチャンネルコントロールを独占して
; 他のアプリが行うチャンネル切り替えを防止することができます。
; EDCB(RecTest)で使用する時は1に、TVTestで使用する時は0にして下さい。
; 0: 要求しない
; 1: 要求する
RequireExclusiveChannelControl = 0
クライアントでB-CASカードを使用しない(サーバー側でスクランブル解除する場合)場合:
; スクランブル解除を行ったTSの配信を希望するかどうかを指定します。
; 実際に解除済みTSが配信されるかどうかは、サーバー側のDescrambleControl設定値によって決まります。
; 0: 特に希望がない(どちらでもよい)事を通知します。(デフォルト)
; 1: スクランブルが解除されたTSの配信を希望する事を通知します。
; 2: スクランブルされたTSの配信を希望する事を通知します。
DesiredDescrambleControl = 1
以上でBonDriver_Spinelの設定は完了です。
3. TvTestの設定
TvTestを起動して設定を行います。「カードリーダ」の設定は、外付けカードリーダをクライアントに接続する場合(または winscard.dll を使いたい場合)には「スマートカードリーダ」に、サーバー側でスクランブル解除をする場合には「なし(スクランブル解除しない」に設定します。

あとは各BonDriver_Spinelに対してチャンネルスキャンを行えば設定完了です。クライアントPCでも視聴ができるようになっているはずです。

3. EpgTimerNWの設定
サーバーのEpgTimerに接続するためのクライアントソフトです。C:\TV\EDCB フォルダを作成し、EDCBのアーカイブを展開します。実際に起動するのは EpgTimerNW.exe のみですが、依存関係がわからないため他のファイルも削除せずに置いておきます。EpgTimerNW.exe を起動すると、サーバーへの接続画面になりますので、サーバーのIPアドレスを指定して「接続」をクリックします。

「設定」をクリックして各種設定を行っていきます。画面構成はサーバー側のEpgTimerとほぼ同じですが、基本的にはスタートアップ起動も不要(クライアント側で常時起動している必要はない)で、あまり触る必要はありません。表示チャンネルの設定程度でよいでしょう。

外部アプリケーションの設定でTvTestを設定しておくと、録画一覧画面から再生可能にもでますが、私はファイルサーバの共有フォルダから直接再生するので今回は設定しませんでした。

設定が完了し、番組表を表示したところ。この画面から予約が可能です。また、キーワード検索による自動予約登録も可能です。

以上の設定で、自宅内のLAN(無線を含め)に接続しているPCで自由に(とはいってもチューナー数による制限はありますが…)デジタル放送の視聴や録画予約ができるようになりました。実際に運用してみるとかなり快適です。今回はサーバーにお金をかけた(システム用、録画用、NAS用に別々のドライブを割り当てた)おかげか、ドロップも全く発生しません。アナログ放送時代にBuffaloのNAS(LinkStation)にUSB接続のTVチューナーを接続してこのようなことが当たり前にできていた時代から、規制でがんじがらめのデジタル放送に切り替わってしまったため、これまでの間かなり不自由な思いをしてきました。しかし、今回の設定によってアナログ時代と同等の利便性が確保できたとのではないかと思っています。もちろん現在でもnasneなどを用いると同様のことはできますが、DTCP-IPやHDCPへの対応が必要であり、オーバヘッドも大きい(個人的な感想としては、DTCP-IPやHDCPに対応しているアプリケーションは動作が重く不安定なことが多い)うえにハードウェア的にもソフトウェア的にも制限が大きく、やはり使い勝手という点では大きく劣ってしまうと思います。対応チューナーをお持ちの方で、録画サーバー構築を考えておられる方々の参考となれば幸いです。

対応可能かもしれない(?)チューナーたちです。保証はできませんので自己責任で…。
では、実際の設定手順です。基本的にはファイルの展開方法などはサーバーと同じです。まずは準備として、ffdshowとVisual C++ランタイムのインストールを行っておきます。その後、以下の手順でインストールを行います。
1. TvTestとBonDriver_Spinelのインストール
C:\TV\TvTest フォルダを作成し、TvTestのアーカイブを展開します。今回はBonDriverとしてはすべてBonDriver_Spinelを使用しますので、サーバーの設定の際に作成したすべての BonDriver_Spinel.dll と BonDriver_Spinel.dll.ini を同じフォルダにコピーします。
2. BonDriver_Spinelの設定
すべてのBonDriver_Spinelについて、BonDriver_Spinel.dll.ini の下記セクションを書き換えます。
サーバーのIPアドレスの設定:
; Spinelが稼働しているマシンのIPv4アドレスとポート番号を指定します。
Address = "192.168.1.217:48083"
排他的チャンネルコントロールはOffに設定:
; 排他的チャンネルコントロールを要求するかどうかを指定します。
; これは録画アプリ向けの機能で、チューナーのチャンネルコントロールを独占して
; 他のアプリが行うチャンネル切り替えを防止することができます。
; EDCB(RecTest)で使用する時は1に、TVTestで使用する時は0にして下さい。
; 0: 要求しない
; 1: 要求する
RequireExclusiveChannelControl = 0
クライアントでB-CASカードを使用しない(サーバー側でスクランブル解除する場合)場合:
; スクランブル解除を行ったTSの配信を希望するかどうかを指定します。
; 実際に解除済みTSが配信されるかどうかは、サーバー側のDescrambleControl設定値によって決まります。
; 0: 特に希望がない(どちらでもよい)事を通知します。(デフォルト)
; 1: スクランブルが解除されたTSの配信を希望する事を通知します。
; 2: スクランブルされたTSの配信を希望する事を通知します。
DesiredDescrambleControl = 1
以上でBonDriver_Spinelの設定は完了です。
3. TvTestの設定
TvTestを起動して設定を行います。「カードリーダ」の設定は、外付けカードリーダをクライアントに接続する場合(または winscard.dll を使いたい場合)には「スマートカードリーダ」に、サーバー側でスクランブル解除をする場合には「なし(スクランブル解除しない」に設定します。

あとは各BonDriver_Spinelに対してチャンネルスキャンを行えば設定完了です。クライアントPCでも視聴ができるようになっているはずです。

3. EpgTimerNWの設定
サーバーのEpgTimerに接続するためのクライアントソフトです。C:\TV\EDCB フォルダを作成し、EDCBのアーカイブを展開します。実際に起動するのは EpgTimerNW.exe のみですが、依存関係がわからないため他のファイルも削除せずに置いておきます。EpgTimerNW.exe を起動すると、サーバーへの接続画面になりますので、サーバーのIPアドレスを指定して「接続」をクリックします。

「設定」をクリックして各種設定を行っていきます。画面構成はサーバー側のEpgTimerとほぼ同じですが、基本的にはスタートアップ起動も不要(クライアント側で常時起動している必要はない)で、あまり触る必要はありません。表示チャンネルの設定程度でよいでしょう。

外部アプリケーションの設定でTvTestを設定しておくと、録画一覧画面から再生可能にもでますが、私はファイルサーバの共有フォルダから直接再生するので今回は設定しませんでした。

設定が完了し、番組表を表示したところ。この画面から予約が可能です。また、キーワード検索による自動予約登録も可能です。

以上の設定で、自宅内のLAN(無線を含め)に接続しているPCで自由に(とはいってもチューナー数による制限はありますが…)デジタル放送の視聴や録画予約ができるようになりました。実際に運用してみるとかなり快適です。今回はサーバーにお金をかけた(システム用、録画用、NAS用に別々のドライブを割り当てた)おかげか、ドロップも全く発生しません。アナログ放送時代にBuffaloのNAS(LinkStation)にUSB接続のTVチューナーを接続してこのようなことが当たり前にできていた時代から、規制でがんじがらめのデジタル放送に切り替わってしまったため、これまでの間かなり不自由な思いをしてきました。しかし、今回の設定によってアナログ時代と同等の利便性が確保できたとのではないかと思っています。もちろん現在でもnasneなどを用いると同様のことはできますが、DTCP-IPやHDCPへの対応が必要であり、オーバヘッドも大きい(個人的な感想としては、DTCP-IPやHDCPに対応しているアプリケーションは動作が重く不安定なことが多い)うえにハードウェア的にもソフトウェア的にも制限が大きく、やはり使い勝手という点では大きく劣ってしまうと思います。対応チューナーをお持ちの方で、録画サーバー構築を考えておられる方々の参考となれば幸いです。

※本サイトで紹介する内容は、すべて個人的研究の範囲内で行っていることです。ここに書かれた内容を実行したことによる、データ(クラウド上を含む)・ソフトウェア・ハードウェアの障害および金銭的損害について、私が責任を負うことはできません。重要なデータはあらかじめバックアップを行い、内容を十分に理解したうえで、ご自身の責任の下で行ってください。 |
対応可能かもしれない(?)チューナーたちです。保証はできませんので自己責任で…。
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