CASIO fx-300P
本日からまた少しCASIOのプログラム関数電卓を紹介していきたいと思います。本日紹介するfx-300Pは、学校教育用電卓として1980年ごろに発売されたと考えられています。機能的には同時期発売のfx-2700P、fx-3500Pに近く、デザインも似ていますが、双曲線関数の機能が省略されています。

fx-2700P(右)と並べてみました。双曲線関数の[hyp]キーがなくなったため、[MODE]キーが移動しています。それ以外のデザインはおおむね同じです(fx-300Pは10桁、fx-2700Pは8桁のため、LCDの幅は異なっています。)

では、これらの兄弟機種と思われる3機種のスペックを比較してみましょう。参考までにfx-3500Pの後継機であるfx-3600Pも載せています。上位機種であるfx-3500P/3600Pのみ三乗根キーがなかったりしますが、これは[P1/P2]キーを増やしたため場所が足りなくなったものと思われます。下記の違いに注意すればfx-3600Pのマニュアル(こちらで英語版を参照できます)を参考にできると思います。
プログラム言語はfx-3600P/3600Pv/360MTのものと同じであり、ジャンプ命令はプログラム先頭に戻る[RTN]命令、条件判断命令も条件が真の場合にプログラム先頭に戻る[x>0], [x≦M]命令を備えています。恒例のベンチマークも行ってみました。プログラムはfx-360MTと同じもの(整数はこちら、三角関数はこちら)を利用します。比較のため、fx-2700Pも同じプログラムで行ってみました。参考までにfx-3600Pの結果も載せておきます。(tan(355/226)の正解は -7497258.1853255…) 3機種ともほぼ同じような性能なのがわかりますね。
内部も調べてみました。基板のパターンや部品配置もfx-2700Pと似ており、CPUも同じHD43148が使用されています。性能・機能が似通っているのも当然ですね。

このfx-300Pには、fx-310P, fx-330Pという同シリーズの後継機(あるいは兄弟機?)があるようですが、300Pとの違いについてはよくわかりません。また、fx-300Pの前にはfx-180Pという学校教育用電卓があったようですが、180Pには少しずつ型番の違う後継機が何種類かあり、かなりの期間販売されていたようです。これらの学校教育用電卓については資料が少なく、たとえば300P系列の機種と180P系列の機種が併売されていた期間があったのか、そうだとしたらどのように使い分けられていたのかなど、不明な点が多いです。どなたか詳しい方がおられれば教えていただければありがたいです。

fx-2700P(右)と並べてみました。双曲線関数の[hyp]キーがなくなったため、[MODE]キーが移動しています。それ以外のデザインはおおむね同じです(fx-300Pは10桁、fx-2700Pは8桁のため、LCDの幅は異なっています。)

では、これらの兄弟機種と思われる3機種のスペックを比較してみましょう。参考までにfx-3500Pの後継機であるfx-3600Pも載せています。上位機種であるfx-3500P/3600Pのみ三乗根キーがなかったりしますが、これは[P1/P2]キーを増やしたため場所が足りなくなったものと思われます。下記の違いに注意すればfx-3600Pのマニュアル(こちらで英語版を参照できます)を参考にできると思います。
fx-300P | fx-3500P | fx-2700P | fx-3600P | |
表示桁数 | 10 | 10 | 8 | 10 |
プログラムステップ | 38 | 38 | 38 | 38 |
プログラムエリア | 1 | 2 | 1 | 2 |
双曲線関数 | × | ○ | ○ | ○ |
三乗根 | ○ | × | ○ | × |
数値積分 | × | ○ | × | ○ |
プログラム言語はfx-3600P/3600Pv/360MTのものと同じであり、ジャンプ命令はプログラム先頭に戻る[RTN]命令、条件判断命令も条件が真の場合にプログラム先頭に戻る[x>0], [x≦M]命令を備えています。恒例のベンチマークも行ってみました。プログラムはfx-360MTと同じもの(整数はこちら、三角関数はこちら)を利用します。比較のため、fx-2700Pも同じプログラムで行ってみました。参考までにfx-3600Pの結果も載せておきます。(tan(355/226)の正解は -7497258.1853255…) 3機種ともほぼ同じような性能なのがわかりますね。
fx-300P | fx-2700P | fx-3600P | |
1~1000の和 | 3分5秒 | 3分8秒 | 3分1秒 |
sin(1)~sin(100)の和 | 53.7秒 | 54.6秒 | 52.7秒 |
sin(1)を10回加算 | 4.4秒 | 4.4秒 | 4.4秒 |
69! | 1.1秒 | 1.1秒 | 1.1秒 |
tan(355/226)の値 | -7501875.46 | -7501875.5 | -7501875.46 |
内部も調べてみました。基板のパターンや部品配置もfx-2700Pと似ており、CPUも同じHD43148が使用されています。性能・機能が似通っているのも当然ですね。

このfx-300Pには、fx-310P, fx-330Pという同シリーズの後継機(あるいは兄弟機?)があるようですが、300Pとの違いについてはよくわかりません。また、fx-300Pの前にはfx-180Pという学校教育用電卓があったようですが、180Pには少しずつ型番の違う後継機が何種類かあり、かなりの期間販売されていたようです。これらの学校教育用電卓については資料が少なく、たとえば300P系列の機種と180P系列の機種が併売されていた期間があったのか、そうだとしたらどのように使い分けられていたのかなど、不明な点が多いです。どなたか詳しい方がおられれば教えていただければありがたいです。
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