CASIO fx-4600DC
以前、CASIOの高機能プログラム関数電卓fx-4500Pを紹介しましたが、この機種にもデザインの似た機種がいくつかあります。本日から紹介していくのは、そんなfx-4500Pの兄弟たちで、下の画像で紹介している2機種(左から順に、fx-4500P, fx-4600DC, fx-5500LA)になります。

これらの機種はすべて2段表示のLCDを搭載していますが、その内容はそれぞれ異なります。fx-4500Pは上段が12桁のドットマトリクス、下段が仮数10桁+指数2桁の7セグメント表示となっています。

fx-4600DCは上段が12桁のドットマトリクス、下段が仮数12桁+指数2桁の7セグメント表示となっています。とはいっても有効数字12桁の演算結果表示を行ってくれるわけではなく、後述する電話帳機能で利用するためです。

fx-5500LAでは上段、下段とも16桁のドットマトリクス表示となっています。

これらLCD以外のデザイン(キーの配列など)はかなり似ている兄弟たちですが、本日はこの中からfx-4600DCについて紹介したいと思います。fx-4600DCは電話帳機能搭載の変わり種ですが、関数計算機能はfx-4500Pとほぼ同じでごく一部の機能(数値積分、Int、Frac、Abs)のみが省略されています。メモリもA~Zが利用できる点では共通ですが、配列やDefmは利用できません。

fx-4600DCには127ステップの数式記憶機能が搭載されており、いちおう「プログラム関数電卓」と言ってもよいと思われます(SHARPなどは同程度のフォーミュラメモリー搭載機を「プログラマブル関数電卓」と称しています)。その点ではfx-4100Pに近い印象を受けますが、数式記憶機能の文法自体はむしろfx-4500Pに似ており、◢(右下に角のある直角三角形)で一時停止、初出の変数名の後ろに""で括ったメッセージを置くことでプロンプトを表示可能など、fx-4100Pにはない機能が利用可能です。

そして、この機種の最大の特徴である電話帳機能です。マニュアルがないのですべての機能を解説することはできませんが、操作してみて分かった範囲で書いてみたいと思います。電話帳閲覧モードに入るには[TEL]キー(電話マークのキー)を押します。この状態でカーソル[↓][↑]キーで順送り、逆送りが可能です。このようにハイフンも入力・表示可能ですが、表示が12桁を超える場合は右端に"→"マークが点灯します。この場合はカーソル[→][←]キーでスクロールが可能です。また、閲覧モード時にはアルファベットキーを押して名前の先頭数文字を入力し[TEL]キーを押すと、前方一致での検索も可能となっています。

データの入力・編集モードに入るには[N/SET]キーを押します。"SET"表示が点灯し、入力・編集が可能な状態となったことを示します。

この状態で名前を入力して[EXE]、電話番号を入力して[EXE]と操作することで新規登録が可能です。

また、名前の入力待ちの状態("NAME?"表示中) に[↓][↑]キーで表示の順送り、逆送りができ、目的のデータを呼び出した状態で[→]キーを押すことで編集モードに入ることができます。

ちなみにレコードを削除するには、編集モードに入って名前を[DEL]ですべて消去して[EXE]を押します。

"DATA CLEAR?"の確認表示で再度[EXE]でレコードが削除されます。

入力できる名前、電話番号の桁数はよくわかりませんが、容量は1100バイトあるようです。[SHIFT][CAPA]キーを押すことで使用中の容量と、残り容量を確認することができます(ちなみにfx-4500PでのCAPA命令は、プログラムエリアの空き容量を確認する命令でした)。fx-4500Pでのプログラムエリアの容量が1103ステップであったことを考えると、搭載しているRAMの容量自体は同じと考えてよさそうですね。ちなみにデータの全削除が可能なのかどうかについては不明です。オールリセットするしかないのかもしれません。

電話帳機能にはいちおうシークレット機能も付いているようです。シークレットデータを入力するには、まず[N/SET]で入力モードに入り、[SHIFT][N/SET]と操作するとパスワード入力画面が表示されます。一度もパスワードを入力したことがない状態であれば、ここで入力したパスワードが登録され、すでにパスワードを入力したことがあればここで同じパスワードを入力します。(ちなみにパスワードのリセット、変更方法についてはわかりませんでした。シークレットデータをすべて削除しても保持されているようです。オールリセットすればクリアされるとは思いますが…。)

正しいパスワードを入力して再度[SHIFT][N/SET]を押すとシークレットデータの入力・編集画面になります("SET"表示の横に鍵のマークが点灯します)。この状態で入力したデータはすべてシークレットデータとして登録されます。ちなみにすでに登録されたデータをシークレットデータに変更することができるのかどうかは不明です。シークレットデータを閲覧するには"SET"が点灯してない状態で[SHIFT][N/SET]を押し、パスワードを入力して[SHIFT][N/SET]を押します。この操作によりシークレットデータ閲覧モードになり、シークレットデータのみが表示されます。
…と駆け足で解説してみましたが、こんな感じで電話帳機能を利用可能です。最後に内部も調べてみました。電池はメイン、バックアップともCR2032を1個ずつ使用するようになっています。

基板上には東芝のT6A56Hというチップが載っており、パターンもfx-4500Pとは全く異なっています。T6A56Hという型番は何となくゲートアレイっぽい印象も受けますが、検索してみてもよくわかりませんでした。機能やメモリ容量などはfx-4500Pと似ているので当然中身も似ているのかと思っていたので、意外な結果でした。

参考までに、こちらがfx-4500Pの内部です。

この機種が発売されたのは1991年ですからまさに電子手帳などがブームとなっていた時代ですね。CASIOはこの機種より少し前にfx-4200Pという機種も出していますが、これはfx-4100Pにメモ機能をつけたもののようです。関数電卓を肌身離さず持ち歩く人がどの程度いたのかは不明ですが(私などは学生時代FX-601Pを持ち歩いていましたが…汗)、時代を感じてしまう興味深い機種だと思います。次回はfx-5500LAを紹介したいと思います。

これらの機種はすべて2段表示のLCDを搭載していますが、その内容はそれぞれ異なります。fx-4500Pは上段が12桁のドットマトリクス、下段が仮数10桁+指数2桁の7セグメント表示となっています。

fx-4600DCは上段が12桁のドットマトリクス、下段が仮数12桁+指数2桁の7セグメント表示となっています。とはいっても有効数字12桁の演算結果表示を行ってくれるわけではなく、後述する電話帳機能で利用するためです。

fx-5500LAでは上段、下段とも16桁のドットマトリクス表示となっています。

これらLCD以外のデザイン(キーの配列など)はかなり似ている兄弟たちですが、本日はこの中からfx-4600DCについて紹介したいと思います。fx-4600DCは電話帳機能搭載の変わり種ですが、関数計算機能はfx-4500Pとほぼ同じでごく一部の機能(数値積分、Int、Frac、Abs)のみが省略されています。メモリもA~Zが利用できる点では共通ですが、配列やDefmは利用できません。

fx-4600DCには127ステップの数式記憶機能が搭載されており、いちおう「プログラム関数電卓」と言ってもよいと思われます(SHARPなどは同程度のフォーミュラメモリー搭載機を「プログラマブル関数電卓」と称しています)。その点ではfx-4100Pに近い印象を受けますが、数式記憶機能の文法自体はむしろfx-4500Pに似ており、◢(右下に角のある直角三角形)で一時停止、初出の変数名の後ろに""で括ったメッセージを置くことでプロンプトを表示可能など、fx-4100Pにはない機能が利用可能です。

そして、この機種の最大の特徴である電話帳機能です。マニュアルがないのですべての機能を解説することはできませんが、操作してみて分かった範囲で書いてみたいと思います。電話帳閲覧モードに入るには[TEL]キー(電話マークのキー)を押します。この状態でカーソル[↓][↑]キーで順送り、逆送りが可能です。このようにハイフンも入力・表示可能ですが、表示が12桁を超える場合は右端に"→"マークが点灯します。この場合はカーソル[→][←]キーでスクロールが可能です。また、閲覧モード時にはアルファベットキーを押して名前の先頭数文字を入力し[TEL]キーを押すと、前方一致での検索も可能となっています。

データの入力・編集モードに入るには[N/SET]キーを押します。"SET"表示が点灯し、入力・編集が可能な状態となったことを示します。

この状態で名前を入力して[EXE]、電話番号を入力して[EXE]と操作することで新規登録が可能です。

また、名前の入力待ちの状態("NAME?"表示中) に[↓][↑]キーで表示の順送り、逆送りができ、目的のデータを呼び出した状態で[→]キーを押すことで編集モードに入ることができます。

ちなみにレコードを削除するには、編集モードに入って名前を[DEL]ですべて消去して[EXE]を押します。

"DATA CLEAR?"の確認表示で再度[EXE]でレコードが削除されます。

入力できる名前、電話番号の桁数はよくわかりませんが、容量は1100バイトあるようです。[SHIFT][CAPA]キーを押すことで使用中の容量と、残り容量を確認することができます(ちなみにfx-4500PでのCAPA命令は、プログラムエリアの空き容量を確認する命令でした)。fx-4500Pでのプログラムエリアの容量が1103ステップであったことを考えると、搭載しているRAMの容量自体は同じと考えてよさそうですね。ちなみにデータの全削除が可能なのかどうかについては不明です。オールリセットするしかないのかもしれません。

電話帳機能にはいちおうシークレット機能も付いているようです。シークレットデータを入力するには、まず[N/SET]で入力モードに入り、[SHIFT][N/SET]と操作するとパスワード入力画面が表示されます。一度もパスワードを入力したことがない状態であれば、ここで入力したパスワードが登録され、すでにパスワードを入力したことがあればここで同じパスワードを入力します。(ちなみにパスワードのリセット、変更方法についてはわかりませんでした。シークレットデータをすべて削除しても保持されているようです。オールリセットすればクリアされるとは思いますが…。)

正しいパスワードを入力して再度[SHIFT][N/SET]を押すとシークレットデータの入力・編集画面になります("SET"表示の横に鍵のマークが点灯します)。この状態で入力したデータはすべてシークレットデータとして登録されます。ちなみにすでに登録されたデータをシークレットデータに変更することができるのかどうかは不明です。シークレットデータを閲覧するには"SET"が点灯してない状態で[SHIFT][N/SET]を押し、パスワードを入力して[SHIFT][N/SET]を押します。この操作によりシークレットデータ閲覧モードになり、シークレットデータのみが表示されます。
…と駆け足で解説してみましたが、こんな感じで電話帳機能を利用可能です。最後に内部も調べてみました。電池はメイン、バックアップともCR2032を1個ずつ使用するようになっています。

基板上には東芝のT6A56Hというチップが載っており、パターンもfx-4500Pとは全く異なっています。T6A56Hという型番は何となくゲートアレイっぽい印象も受けますが、検索してみてもよくわかりませんでした。機能やメモリ容量などはfx-4500Pと似ているので当然中身も似ているのかと思っていたので、意外な結果でした。

参考までに、こちらがfx-4500Pの内部です。

この機種が発売されたのは1991年ですからまさに電子手帳などがブームとなっていた時代ですね。CASIOはこの機種より少し前にfx-4200Pという機種も出していますが、これはfx-4100Pにメモ機能をつけたもののようです。関数電卓を肌身離さず持ち歩く人がどの程度いたのかは不明ですが(私などは学生時代FX-601Pを持ち歩いていましたが…汗)、時代を感じてしまう興味深い機種だと思います。次回はfx-5500LAを紹介したいと思います。
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