SHARP EL-566
SHARPの電卓シリーズの第3弾はEL-566です。この機種は学校教育用のモデルで、おそらくEL-560の後継機でありEL-566Eの一世代前の機種と思われます。LCDはEL-566Eと同様、上段に数式表示用のドットマトリクス12桁、下段に結果表示用の7セグメント10桁の2段表示となっています。デザイン的にはEL-566Eより一回り小さく、色も当時のSHARPの標準的な関数電卓のデザインと思われる(EL-546DやEL-5020と同様の)黒を基調としたものとなっています。

EL-566E(右)と並べてみました。かなり大きさが違いますね。手帳型ケースは566Eのテープで貼る方式ではなく、昔ながらの透明なバンドで保持する方式となっています。また、566は566Eとは異なり太陽電池は搭載していません。

EL-566はマニュアルがないので正確なところはわからないのですが、キー配列や操作した感じ、また他機種の操作体系から類推すると、以下のような違いがあると思われます。EL-566EのマニュアルであればSHARPのサイトからダウンロード可能ですので、こちらと合わせればなんとか活用できるのではないかと思います。
EL-566Eとの異同を調べるためにベンチマークも行ってみました。整数演算(1~1000までの和)はこちら、sin100回(sin(1)~sin(100)までの和)はこちらに掲載されている、EL-566E用のプログラムと同じものを使用しました。

結果はEL-566は566Eに比べるとかなり遅く、EL-5020あたりに近い結果となりました。興味深いことに、ループを使用しなければEL-566Eに近い速度なのが、ループの回数が多くなるほど開きが大きくなる傾向があるように思われます。ジャンプや条件判断のオーバーヘッドが大きいのかもしれませんね。また、tan(355/226)も計算してみました。
値はEL-566Eとは異なっており、これまでの他のSHARPのモデルのいずれとも異なる結果でした。あまり他の電卓とはソフトウェア的な共通点はないのかもしれません。

内部も調べてみました。SC9785というチップが使用されています。SHARPのSC型番の電卓用チップといえば、古いものだとSC43~、比較的新しいものだとSC61~/SC62~というものが主流でしたが、こちらはPC-1600Kに搭載されているSC7852と同様の珍しい4桁の型番です。

EL-566E同様、EL-566も標準的なAER機能でのプログラミングも可能ですし、学校教育用の電卓としてはかなり高機能な電卓だと思います。精悍なデザインでポケットにも入れやすいコンパクトさが気に入っています。もうこんな電卓は発売されないのでしょうか…。

EL-566E(右)と並べてみました。かなり大きさが違いますね。手帳型ケースは566Eのテープで貼る方式ではなく、昔ながらの透明なバンドで保持する方式となっています。また、566は566Eとは異なり太陽電池は搭載していません。

EL-566はマニュアルがないので正確なところはわからないのですが、キー配列や操作した感じ、また他機種の操作体系から類推すると、以下のような違いがあると思われます。EL-566EのマニュアルであればSHARPのサイトからダウンロード可能ですので、こちらと合わせればなんとか活用できるのではないかと思います。
機能 | EL-566 | EL-566E |
プログラムステップ | 256 | 160×4 |
メモリクリア命令(M-CLR) | × | ○ |
一時停止命令 | , | : |
三乗計算 | × | ○ |
分数計算 | × | ○ |
%計算 | × | ○ |
乱数(RANDOM) | × | ○ |
整数部除去 | FRAC | fpart |
小数部除去 | INT | ipart |
指数表示切替 | FSEで切り替え/TAB n | FSE n |
EL-566Eとの異同を調べるためにベンチマークも行ってみました。整数演算(1~1000までの和)はこちら、sin100回(sin(1)~sin(100)までの和)はこちらに掲載されている、EL-566E用のプログラムと同じものを使用しました。

結果はEL-566は566Eに比べるとかなり遅く、EL-5020あたりに近い結果となりました。興味深いことに、ループを使用しなければEL-566Eに近い速度なのが、ループの回数が多くなるほど開きが大きくなる傾向があるように思われます。ジャンプや条件判断のオーバーヘッドが大きいのかもしれませんね。また、tan(355/226)も計算してみました。
項目 | EL-566 | EL-566E |
sin10回 | 1.1秒 | 1.1秒 |
sin100回 | 18.1秒 | 12.3秒 |
整数 | 89.3秒 | 24.2秒 |
tan(355/226) | -7497094.876 | -7497264.149 |
値はEL-566Eとは異なっており、これまでの他のSHARPのモデルのいずれとも異なる結果でした。あまり他の電卓とはソフトウェア的な共通点はないのかもしれません。

内部も調べてみました。SC9785というチップが使用されています。SHARPのSC型番の電卓用チップといえば、古いものだとSC43~、比較的新しいものだとSC61~/SC62~というものが主流でしたが、こちらはPC-1600Kに搭載されているSC7852と同様の珍しい4桁の型番です。

EL-566E同様、EL-566も標準的なAER機能でのプログラミングも可能ですし、学校教育用の電卓としてはかなり高機能な電卓だと思います。精悍なデザインでポケットにも入れやすいコンパクトさが気に入っています。もうこんな電卓は発売されないのでしょうか…。
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コメント
はじめまして
私もこの電卓をかれこれ20年近く愛用していましたが、これまでの在庫分は電池交換では動かなくなってしまい、残るストックは後1台です。本当にシンプルでいい電卓なので開発してほしいのが実情です。
数年前の記事でしたが、楽しく読ませていただきました。ありがとうござます。
数年前の記事でしたが、楽しく読ませていただきました。ありがとうござます。
Re: はじめまして
コメントありがとうございます。
最近の日本の電卓メーカーは面白い電卓を出さなくなってしまって残念です。
CASIOはまだfx-5800pとかfx-CG50などの本格的なプログラムの書ける電卓を販売していますが、
SHARPは簡単な数式記憶機能のみとなってしまいました。
かつてEL-5100やFX-602Pを見たときのようなワクワク感を感じさせるモデルを出してほしいものです。
最近の日本の電卓メーカーは面白い電卓を出さなくなってしまって残念です。
CASIOはまだfx-5800pとかfx-CG50などの本格的なプログラムの書ける電卓を販売していますが、
SHARPは簡単な数式記憶機能のみとなってしまいました。
かつてEL-5100やFX-602Pを見たときのようなワクワク感を感じさせるモデルを出してほしいものです。